2026.07.15ぶち上げインタビュー

ぶち上げインタビュー「人間の意志なんて、そんなに強くない」——"環境に飛び込む"を武器に、複数の会社を掛け持ちで走り続ける男。sizzle・渡部航誠さん

「人間の意志なんて、そんなに強くない」——"環境に飛び込む"を武器に、複数の会社を掛け持ちで走り続ける男。sizzle・渡部航誠さん

「人間の意志なんて、そんなに強くない」 営業支援SaaS「sizzleスカウター」と、他社の営業チームを丸ごと請け負うインサイドセールス代行事業を展開する株式会社sizzle。同社で事業責任者を務めるのが、渡部航誠さんだ。以下、渡部さん。 高校まではサッカー一筋、大学でサッカー部のセレクションに落ちて目標を見失いかけた学生時代から一転、大学4年から内定先での

この記事の要点

  • 01現在はsizzleでの事業運営に軸足を置きながら、ドローン事業のSKY.U株式会社を仲間と共同創業し、株式会社EvolveUの執行役員も兼任するなど、複数の会社に軸足を置いて走り続けている。
  • 02過去をピークだと言っているのはやばいなと思って、その日から一切やめようと決めました。
  • 03営業経験者かどうかはあまり関係なくて、仕事に対して前向きに取り組めるか、成長したいと思えるかを大事にしています。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

「人間の意志なんて、そんなに強くない」

営業支援SaaS「sizzleスカウター」と、他社の営業チームを丸ごと請け負うインサイドセールス代行事業を展開する株式会社sizzle。同社で事業責任者を務めるのが、渡部航誠さんだ。以下、渡部さん。

高校まではサッカー一筋、大学でサッカー部のセレクションに落ちて目標を見失いかけた学生時代から一転、大学4年から内定先でのインターンでインサイドセールスの世界に飛び込み、実務経験を積んだのちEmpowerXでは事業責任者、そしてCOOへと駆け上がった。現在はsizzleでの事業運営に軸足を置きながら、ドローン事業のSKY.U株式会社を仲間と共同創業し、株式会社EvolveUの執行役員も兼任するなど、複数の会社に軸足を置いて走り続けている。

会社名:株式会社sizzle

役職:事業責任者(SKY.U株式会社 Co-Founder/株式会社EvolveU 執行役員 兼任)

氏名:渡部航誠(わたなべ こうせい)

営業の「カンニングペーパー」——sizzleが解決する泥臭さ

商談前に相手の"本音"が見える仕組み

——まずはsizzleさんの事業内容を教えてください。

渡部さん:2つあって、一つは自社プロダクトの「sizzleスカウター」です。会社の理念は「ワクワクする当たり前を作る」。営業活動ってどうしても泥臭い、辛いというイメージを持たれがちなんですが、それをワクワクする形に変えたいという想いで立ち上げたのがsizzleで、このプロダクトなんです。問い合わせしてくださったお客さんがどのページをどれくらい見ているかが全部可視化されるので、ニーズが分かった状態でセールスができる。初回商談に特化した、事前準備のための営業支援ツールですね。もう一つが、僕がキャリアの中でずっと培ってきたインサイドセールスの代行事業。他社さんの商材を、僕たちが営業チームとして代わりに売って成約までつなげていく事業です。こちらは一生やり続けたいと思っている事業なんです。

サッカー一筋だった少年が、大学で味わった「目の前から夢が消える」瞬間

セレクション落選、そしてパチンコ屋のバイトへ

——学生時代はどんな環境で過ごされたんですか。

渡部さん:山形県出身で、父がサッカーをやっていて小学校のクラブのコーチをしていたので、そこからサッカーを始めました。高校卒業までずっとサッカー一筋で、遊んだことも勉強したこともないという学生生活でしたね。全国インターハイと選手権に出たんですが、初戦で敗退。それでも大学の4年間で化けてやろうと思っていたんですが、入学後にサッカー部のセレクションを受けて、落ちてしまったんです。

——目の前からサッカーが消えた、と。

渡部さん:そうなんです。最初は社会人クラブに入るとか、他大学に編入するとか、いろいろ考えたんですが、時間が経つにつれて切り替えられるようになって。そこから大学生活は、朝6時からセブンイレブンでバイトして、昼は学校、夜はパチンコ屋でバイト。その後は先輩たちとお酒を飲んだりダーツをしたり、パチンコを教えてもらったり。今思うとすごく充実していましたが、大学3年の就活の役員面接で「人生のピークはいつ?」と聞かれて、大学生なのに「高校の時です」って答えてしまったんですよ。その瞬間、自分でハッとして。過去をピークだと言っているのはやばいなと思って、その日から一切やめようと決めました。それで大学4年から内定先で週5日のインターンを始めて、一気に社会人みたいな生活に変わったんです。

結果が出なかった1年間と、「トップセールスの真似をする」という答え

成果より先に、生活をコピーする

——最初のキャリアであるインサイドセールスでは、順調なスタートだったんですか。

渡部さん:いや、全く。年間数十人規模の部署でずっと最下位でした。学生でありながら週5、朝8時から夜11時半まで働いていたので正社員と変わらない働き方をしていたのに、成果はゼロ。営業ってコミュニケーションのスキルの種類が違う競技のようなもので、人と話すのは好きでも、セールスに置き換えたときに攻略しきれなかったんです。

——そこからどう変わっていったんですか。

渡部さん:これがあったから跳ねた、という劇的な瞬間はなくて。ただ、トップセールスの人の隣で、同じ生活をすると決めたんです。朝の出社時間も、夜の退社時間も、全部同じにする。僕の意思というより、トップセールスがやっているから僕もやる、というだけ。それを1年間積み上げた結果、成果が出ました。同期は最終的に数人しか残っていなかったんですが、僕はたまたま成果が出るスピードが遅かっただけだと思っています。

「ワクワクする当たり前を作る」——内側にフォーカスする経営理念

——sizzleとして掲げているビジョンを教えてください。

渡部さん:理念は「ワクワクする当たり前を作る」ということ。これが社会に対する大きな野望かと言われると、代表の樋口はまた別の考えを持っていると思うんですが、僕自身はどちらかというと内側をすごく大事にしていて。一緒に働く従業員がどれだけワクワクした状態で仕事をしているか、どれだけ幸せなのか。まずは自社のメンバー、そしてお付き合いさせていただくクライアントさん。sizzleに出会ったことで人生が楽しくなった、仕事が楽しくなったという体験を、限界なく届けていきたいと思っています。

月に一度、40度の熱が出た日々——25歳で背負った「会社が潰れるかもしれない」責任

——順風満帆に見えるキャリアですが、一番きつかった経験はありますか。

渡部さん:以前COOを務めていた会社で働いていた時期、月に1回、4ヶ月連続で40度の高熱が謎に出るということがあったんです。単純な労働時間の長さもあると思うんですが、それまで経験したことのないプレッシャーや責任があったんだと思います。初めて会社役員として、「このままいったら会社が潰れる」ということも経験しましたし、「もっとやらなきゃ会社は伸びない」というのもすごく感じました。大きな責任を本当の意味で背負ったのは25歳のとき。それが人生で一番大きな出来事だったと思います。

「一人で戦っても意味がない」——チームスポーツ出身者としての原動力

——そのきつさを、どう乗り越えてきたんですか。

渡部さん:当時も本当に素晴らしい仲間と一緒に仕事をさせてもらっていて。一人で戦い続けると孤独で大変だと思うんですが、ずっとサッカーというチームスポーツをやってきた中で、うまくいくこと、いかないこと、仲が良くなること、悪くなること、全部あっても、本当にいい仲間といい会社で働けることが一番の原動力なんじゃないかと思っています。それは今、サッカーで培ったチームスポーツの感覚が、社会でも生かされているとすごく感じる部分です。

「環境に飛び込む」——自分の意志を信じすぎない生き方

——今の20代・学生世代に向けてアドバイスをお願いできますか。

渡部さん:僕は今まで、めっちゃ頑張ろうと自分を奮い立たせてきたというよりは、どちらかというと環境に飛び込んできたことが大きかったなと思っています。最初のキャリアが始まった大学3年のときも、1社目を辞めるタイミングも、次が何も決まっていなかった。ある程度成果が出て「このまま順調に行けるな」と思った瞬間に、それじゃ面白くないと思って手放して、創業半年の会社に飛び込んだり。人間の意志なんてそんなに強くないので、だったらもう「自分自身を最も追い込み、成長できる環境」に行っちゃって、そこで勝負するのが一番いいんじゃないかなと思っています。

リファラル入社が中心——「体育会系」が集まる採用のこだわり

——採用面で大切にしていることはありますか。

渡部さん:僕が入社したタイミングは自分だけ20代で、代表の樋口も取締役もみんな30代だったんです。そこから20代のメンバーをリファラルで採用していって、今は20代も30代も半々くらいになりました。営業経験者かどうかはあまり関係なくて、仕事に対して前向きに取り組めるか、成長したいと思えるかを大事にしています。僕自身、学生時代に全く結果が出せなかったところから今のキャリアまで来たので、20代や未経験の人たちにキャリアを築くきっかけを作りたいと個人的に思っているんです。

「一人では何も成し遂げられなかった」——支えてくれた人たちへ

——最後に、これまで関わってきた方々へのメッセージをお願いします。

渡部さん:今一緒に会社をやっているメンバーも、これまでお世話になった方々も、外部の方々も含めて、僕は本当に大したことのない中で、今これだけ楽しく仕事をさせてもらえているのは、自分自身が優れているというより周りの方々のおかげなんですよね。新卒の時にお世話になって育ててくれた方々もそうですし、今のクライアントさんや社内のメンバーもそう。そのメンバーがいたからこそ自分は仕事が楽しいと思えたし、成長できた。何一つとして一人では成し遂げられなかったと思っているので、本当に感謝していますし、だからこそ一つの恩返しとして、成長し続けたいと思っています。

会社名:株式会社sizzle

代表:樋口大介(ひぐちだいすけ)

事業内容:営業支援ツール「sizzleスカウター」の開発・運営/インサイドセールス代行事業

所在地:東京都中野区鷺宮6丁目31-18 エムジーホール7F

取材:河本龍真 文:佐藤大遥(株式会社One Rep)

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