2026.05.20ぶち上げインタビュー

ぶち上げインタビュー「やって後悔のほうが、絶対にいい」——24歳ICU生、6,000万円で渋谷に出店。牛たんの檸檬 渋谷店・家入みずほさん【人生ぶち上げch】

「やって後悔のほうが、絶対にいい」——24歳ICU生、6,000万円で渋谷に出店。牛たんの檸檬 渋谷店・家入みずほさん【人生ぶち上げch】

やらなくて後悔より、やって後悔のほうがいい。

この記事の要点

  • 0120歳でキャバクラの世界に飛び込み、六本木→新橋→銀座と店舗を移しながら、月間売上最高1,680万円を記録。
  • 02その方針が変わったのは、ある日、新宿の本店で食べた厚切り牛たんに衝撃を受けてから。
  • 03「次の日には物件契約の不動産屋に行っていた」——そう振り返る家入さんに、宝石店の家業を継がなかった理由、20歳でキャバクラを選んだ思考、不動産屋に「なめられた」経験、そして妹と従業員を「家族」として守ろうと決めた今を聞いた。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

「やって後悔のほうが、絶対にいい」——24歳ICU生、6,000万円で渋谷に出店。牛たんの檸檬 渋谷店・家入みずほさん

やらなくて後悔より、やって後悔のほうがいい。

「牛たんの檸檬 渋谷店」は、東京・渋谷区道玄坂に2026年2月27日にグランドオープンした厚切り牛たん専門店。希少部位「たん元」を惜しみなく使った"極厚でやわらかい"牛たんメニューが看板で、本店は新宿西新宿の「新宿焼肉 牛たんの檸檬 総本店」(運営:株式会社牛たんの檸檬/代表取締役 原数馬/本社 石川県金沢市)のフランチャイズ店として展開されている。オーナーの家入みずほさんは24歳、現役の国際基督教大学(ICU)在学中の女子大生。自己資金6,000万円を投じての出店として、複数の経済メディアにも取り上げられた。以下、家入さん。

山梨県出身。三姉妹の長女として、早くから上京を決意し、ICUに進学。コロナ禍で大学の授業の大半がオンラインだった1〜2年生時代を、ひたすら勉強と読書で過ごした。20歳でキャバクラの世界に飛び込み、六本木→新橋→銀座と店舗を移しながら、月間売上最高1,680万円を記録。株式投資との合算で総額約8,000万円を「FIREのため」貯めていた。そこから予定納税分と生活防衛費を引いた6,000万円を牛たん屋に投資した。

その方針が変わったのは、ある日、新宿の本店で食べた厚切り牛たんに衝撃を受けてから。「次の日には物件契約の不動産屋に行っていた」——そう振り返る家入さんに、宝石店の家業を継がなかった理由、20歳でキャバクラを選んだ思考、不動産屋に「なめられた」経験、そして妹と従業員を「家族」として守ろうと決めた今を聞いた。

会社名:牛たんの檸檬 渋谷店(株式会社牛たんの檸檬のフランチャイズ)

役職:オーナー

氏名:家入 みずほ(いえいり みずほ)

厚切り牛たんに、人生を全振りした——24歳ICU生のフランチャイズ起業

本店で食べた一切れに「ビビッ」ときた、即決の物件契約

——まず、お店のことを教えてください。

家入さん:「牛たんの檸檬 渋谷店」という、厚切り牛たん専門店です。本店が新宿の西新宿にあって、私はもともと2年前ぐらいから、本当の「牛たん中毒」みたいに通っていたお店なんです。同伴の時にも「何食べる?」って聞かれたら、いつもここって答えるぐらい好きで。

厚切りのたん元を一口食べた瞬間に、やわらかさと美味しさに衝撃を受けました。インバウンドのお客様も半分くらい来るような長蛇の列で。それで、店員さんに顔を覚えてもらった時に「フランチャイズもありますよ」と言われて、ビビッときちゃって。次の日には物件契約しに行っていました。貯めていたお金を全部使って。

山梨の宝石店、三姉妹の長女——「家業を継ぐ気はなかった」

祖父の代から続く実家、それでも東京に出たかった理由

——ご出身は山梨ですよね。

家入さん:そうです、18歳まで山梨でした。祖父の代から続く宝石店を、今は父が社長として営んでいて、私は三姉妹の長女なんです。でも家業を継ぐ気はなくて、絶対に東京に出たかった。山梨って、外に出ない人がすごく多いんですよね。県内の大学に行く人が多くて、外を見に行く人が少ない。だから「外を見たい」が強かったんです。

そのままICUに進学できたのは大きかったですね。半分くらいが帰国子女、外国人みたいな大学なので、グローバルな環境に身を置けたのは、今の経営にもつながっていると思います。

20歳、キャバクラへ——「私の貴重な時間を、1時間千円で売れない」

大学1〜2年はコロナでオンライン、20歳から出来高制の世界へ

——キャバクラを選んだ理由は?

家入さん:大学の1〜2年生って、コロナでほぼ全部オンライン授業だったんですよ。家にこもって勉強と読書ばっかりしていました。単位も全部取り終えて、20歳になって「そろそろバイトでもしようかな」と思った時に、シンプルに「私の貴重な時間を1時間千円で売れない」と思ったんです。

他の人と同じ仕事をして、絶対私の方ができるのに、同じ時給しかもらえない。それが嫌だった。だったら出来高制のキャバクラにしよう、と。最初は六本木のお店で、大人の男性と話したことがなかったから、何を話したらいいかわからなくて、政治とか経済の話を振っちゃっていて。お客様はそんなの求めていないんですよ。日々のストレスを発散しに来ているのに、真面目すぎて全然売れませんでした。

黒服に1から教わった——髪、メイク、同伴、すべて指示された通りに

六本木→新橋→銀座、月間売上1,680万円を達成するまで

——どうやって売れるようになったんですか?

家入さん:黒服さんに1から教わりました。それまで髪を染めたこともなかったので、染めて、メイクの仕方も習って、ネイルもして、全部指示された通りに変えていって。「毎週3人以上のお客様とご飯に行ってこい」みたいなミッションがあって、それを全部こなしていきました。

六本木のお店から新橋、その後は銀座に移って、月間売上は最高で1,680万円までいきました。週6日勤務で、株式投資の利益と合わせると総額で約8,000万円ぐらい稼いだ感じです。予定納税分と生活防衛費を引いて、6,000万円が手元に残った状態でした。

「FIRE、つまらない」——2億貯めて引退する人生を、自分から降りた

暇な時間が、新しい刺激を欲した

——もともとはFIREしようと思っていたとか?

家入さん:そうなんです、最初は2億ぐらい貯めてFIREしようと思っていました。旅行行こうかな、ぐらいのテンションで。でも、FIREが現実的になるにつれて「FIREはつまらない」って気づいてしまったんです。自分に負荷をかけていない時間って、すぐ暇になっちゃう。新しい刺激が欲しくなる。

そんな時に本店の牛たんを食べて、衝撃を受けて、フランチャイズの話を聞いて、即決しました。父にも報告したんですけど、反対というよりは「軽い気持ちでは務まらない」って厳しく釘を刺されました。

不動産屋に「なめられた」——24歳キャバ嬢として、軽く見られた現実

穏やかな顔の裏で「なめてんな」と感じた、出店までのリアル

——出店までの過程で、きつかったことは?

家入さん:今お世話になっている不動産会社さんは違ったんですけど、最初に何件か回った時は「すごくなめられているな」と感じました。「小娘が何言ってるんだ」みたいな対応をされて、坪単価の質問にもきちんと答えてもらえなかった。

顔には出さないんですけど、内心では「なめてんな」って思っていましたね。穏やかな印象に見せていますけど、なめられて引き下がるタイプではないんですよ。最終的に今の物件に出会えたから良かったですけど、ああいう経験は記憶に残っています。

従業員=家族——妹を呼び寄せ、20人体制を「守る」と決めた

三姉妹の真ん中の妹を山梨から呼び寄せた、家族のような組織

——お店のメンバー構成を教えてください。

家入さん:社員5人、アルバイト15人で、ほぼ全員女性です。店長(料理長)が男性で、アルバイトに1人男性がいるくらい。実家から呼び寄せた真ん中の妹(22歳)も一緒に働いています。

従業員のことは、自分の家族のように思っているんです。キャバクラで1人でやっていた時は、たまに休んでも全然平気だったけど、今は守るものが増えた。「この子たちのことを食べさせていかなきゃ」という責任感が、自分を強くしてくれている気がします。

店頭にも立つ——24歳・キャバ嬢・大学生だからこそ「背中で見せる」

洗い物もホールも自分で。なめられないために、自分で動く

——オーナーが店頭に立つって、珍しいですよね。

家入さん:私、24歳でキャバ嬢で、なんなら大学生なんです。普通に考えて、なめられてもおかしくない属性じゃないですか。「社長、チャラチャラしてるな」って思われたくない。だからちゃんと背中で見せて、洗い物もホールも一緒にやっています。

ぶっちゃけ、戦力としてはバイトレベルです(笑)。店長より料理が上手いわけじゃないし、ホールも誰よりも上手いわけじゃない。でも、現場に立つ姿を見せること自体が大事だと思っています。「一緒にチームでやっている」と感じてもらうために。

今後の展望——3〜4店舗目で海外、日本の旨いものを世界に出す

直近は2号店、その先は欧米ではなくアジア圏に

——目標を教えてください。

家入さん:直近は2店舗目を出したいです。3〜4店舗目ぐらいから海外に出したい。私、ICUが帰国子女・グローバル要素の強い大学だったから、海外で日本の旨いものを出すことに憧れがあるんです。

欧米だと牛タンって「気持ち悪い」って思われがちで、人気が出にくいみたいなんです。だからアジア圏、台湾とか狙いたいですね。神戸牛とか、日本の美味しいものは牛タンだけじゃないので、そっちも含めて広げていきたい。

読者へのメッセージ——「やらなくて後悔より、やって後悔」

批判する側ではなく、行動する側に立ってほしい

——最後に、20代の読者にメッセージを。

家入さん:私、もともとゼロから生まれてきたので、失うものなんて大してないんですよ。24歳で貯金ゼロでも、別におかしくない。やらなくて後悔よりも、やって後悔のほうが絶対にいい。失敗っていうけど、もし収支トントンで終わっても、ここで一緒に働いてくれる「家族みたい」と思える人たちと出会えた。それだけで、やった価値は十分にあると思っています。

あと、私、結構叩かれるんですよ。「キャバ嬢のくせに。どうせパトロンいるんだろ。」って。でも、批判してくる人って、本当に何もしてないくせに叩くだけ。そういう人にだけは、絶対なってほしくない。人をひがんでグチグチ言うようなみっともない人にならず、自分が動く側に立ってほしいです。やりたいと思った若いうちに、挑戦するべきだと思います。

店舗名:牛たんの檸檬 渋谷店

住所:東京都渋谷区道玄坂1-5-9 ザ・レンガビル4A

グランドオープン:2026年2月27日

オーナー:家入 みずほ

運営:株式会社牛たんの檸檬(代表取締役 原数馬/本社 石川県金沢市)のフランチャイズ

取材・文:木村光志(株式会社One Rep)

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