2026.05.24 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「立ち回りを考えないといけない、と思わせている時点で、運営側に問題があるんですよ」——株式会社RASHISA代表の岡本翔さんだ。

広島で生まれ、小学校2年生から高校3年生までバスケ一筋。21歳のとき、福岡で株式会社RASHISAを創業した(2017年1月23日)。最初は九州の大学生と東京のベンチャー企業をつなぐ就活支援イベントの事業。2018年に上京し、2019年末からは虐待サバイバーやシングルマザーの方々を自社で雇用するBPO事業を約6年。そして2025年9月に経営者コミュニティ事業
この記事の要点
- 01そして2025年9月に経営者コミュニティ事業を立ち上げ、2026年1月に本格稼働へと振り切った。
- 02誰と誰をどのテーブルに座らせるか、前日に「この組み合わせはこんな理由で同じグループにしました」と一社ずつ伝えるところまで設計する。
- 03だからもし、「共に創る」という価値観に共感してくださる経営者の方、あるいは「将来的に、こうした人材活用や雇用創出に関心がある」という企業の方がいたら、ぜひ一度お話を聞かせてください。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
広島で生まれ、小学校2年生から高校3年生までバスケ一筋。21歳のとき、福岡で株式会社RASHISAを創業した(2017年1月23日)。最初は九州の大学生と東京のベンチャー企業をつなぐ就活支援イベントの事業。2018年に上京し、2019年末からは虐待サバイバーやシングルマザーの方々を自社で雇用するBPO事業を約6年。そして2025年9月に経営者コミュニティ事業を立ち上げ、2026年1月に本格稼働へと振り切った。
「いい人と、いい時間と、いい仕事を提供する」——そのコンセプトのもと、年間100回以上の交流会・会食を組み立てる。100人立食パーティーのような”名刺交換ありき”の会はやらない。誰と誰をどのテーブルに座らせるか、前日に「この組み合わせはこんな理由で同じグループにしました」と一社ずつ伝えるところまで設計する。
現在50社のコミュニティを、今年250社、来年1,000社、再来年3,000社まで広げる。その先には「虐待を受けた方が安心して働ける優良企業ネットワーク」という、岡本さんが10代から胸の奥に抱えてきたテーマがある。
以下、岡本さん。
会社名:株式会社RASHISA
役職:代表取締役
名前:岡本翔
9年で3度の大きなピボット。それでも軸はぶれていない
——まず、いま手がけられている事業について教えてください。
岡本さん:いまは経営者コミュニティの運営に全振りしています。「いい人と、いい時間と、いい仕事」をコンセプトに、法人の執行役員以上の方しか入れないコミュニティをつくっていて、年間100回以上の交流会と会食を設計しています。
ただ単に「集まって名刺交換しましょう」じゃなくて、ちゃんとビジネスマッチングが生まれるように、席順もテーマもこちらで設計するのが特徴ですね。「経営者の出会いを、最大化と最適化する」というのを掲げています。
そのうえで、中長期では、もともと自分が取り組んできた虐待問題の解決——具体的には、虐待を受けた方への相談支援や、そういった方々の人材紹介——をやっていきたいと思っています。コミュニティを大きくして、信頼できる優良企業のネットワークをつくっておくこと自体が、その布石になります。
バスケ一筋の少年が、起業家という生き方を知った瞬間
——バスケ一筋から、なぜ起業の道に?
岡本さん:小学校2年生から高校3年生までバスケットボールをやっていて、本当にバスケ一筋でした。性格的には、生徒会長をやりたがるような、人前に出るのが好きなタイプでしたね。
高校3年生のときに、バスケ選手を諦めるタイミングがあって。「じゃあ次、自分は何をして生きていくんだ」と考えたときに、起業家という生き方を知ったんですよ。それで「起業したい」と思って大学に進学した感じです。
大学では2年間通って休学して、その間にインターン、旅、学生団体、ビジネスプランコンテストへの挑戦——いろいろ経験しました。海外も大学1年のときに行きました。
「侍になれていない。侍は、覚悟することだよ」——背中を押された一言
——21歳で会社をつくられた。きっかけは?
岡本さん:休学中に、福岡で開かれたビジネスプラン・コンテストに出たんです。そのコンテストの審査員の方が、後日わざわざ面談の機会を設けてくださって。「おかしょーくん(岡本さんの愛称)は起業したいんでしょ? 今後どうしたいの?」と聞かれたんですが、僕、ふわっとしたことしか話せなかったんですよ。
そしたら「そんなのじゃ全然"侍"になれていない。侍っていうのは、覚悟することだよ」と言われて。その一言にハッとしました。
それを言われたのが2016年の10月で、そこから4ヶ月後の2017年1月23日に、株式会社RASHISAを創業しました。最初は九州の大学生を福岡に集めて、東京のベンチャー企業さんとマッチングする就活支援イベントの事業ですね。2017年から2018年まで、この事業をやっていました。
「自分が本当にやりたいことは、虐待問題を解決することだった」
——その後、虐待サバイバーの方々を雇用し、BPO事業に大きくピボットされていますね。
岡本さん:大学を中退して上京して、資金調達に動いたタイミングがあったんですよ。そこで自分のなかで、「本当にやりたいことは、虐待問題を解決することだ」とはっきりした。
私の弟と妹が、児童養護施設出身というバックボーンがあるんです。だからこの問題への関心はずっと自分の中にあったんですが、そこにフルコミットすると決めたのが、ちょうどそのタイミングでした。
それで2020年から今年の1月までの約6年間、幼少期に虐待を受けた方や主婦の方を自社で採用して、BPOアウトソーシングの事業をやっていました。最初の3年はデザイン業務やバックオフィス業務などの非営業領域、後半の3年は営業代行——というふうにグラデーションをつけながらですね。
「事業は黒字だったのに、会社は赤字だった」——売却が成立しなかった日々
——その6年間、相当いろいろあったと思います。一番きつかったのは?
岡本さん:事業としては黒字になっていたんです。ただ、会社全体としては赤字になることがあって。「このままだと、メンバーの給与を上げ続けるのは難しい」となった。
事業自体は黒字なので、売却しようと動いたんですよ。でも、うまくいかなかった。
何が一番きつかったかというと、「自分の意思では救えない人がいる」という現実を突きつけられたことです。雇用を生み出したくてやっていた事業を、自分の判断で閉じる側に回らなきゃいけない。しかも売却で次の会社に引き継いでもらうという最後の手段も、結局成立しなかった。
「ビジネスマッチングなら、もともとやっていた領域だった」
——そこから、いまの経営者コミュニティに振り切るまでの意思決定は?
岡本さん:実はコミュニティ事業自体は、昨年9月から始めていたんです。
これはもともと自分たちが営業代行を通じてやっていた領域だったので、やれる確信がありました。それで今年1月から本格稼働させて、いまに至るという感じです。
100人立食はやらない。「席順を前日に伝える」までやる
——交流会の設計が、明らかに普通の名刺交換会と違いますよね。
岡本さん:そもそも、100人形式の立食パーティーって、最近ほぼほぼ仕事につながらないと思っているんですよ。だから、うちは基本やらない。
たとえば20人の会だとしても、4人1組のグループに分けたり、同じテーマに関心がある人しか集まらない会にしたりしています。「経営者の年代別」「会社の規模別」「業界別」「趣味別」——いろんなテーマでセグメントを切って、その単位で会を組む。
そして前日には「○○さんと△△さんは、こういう理由で同じグループにしています」と、お一人おひとりにご連絡する。ここまでやってる会はほぼないと思います。
「立ち回りを考えないといけない」って思わせている時点で、それは運営側に問題がある。参加者は、自分たちが何をやっていて、どんな価値を誰に届けたいのか——それさえ持ってきてくれれば、こちらが場を全部設計する。それが本来のあり方だと思っています。
「共に創る」と「リスペクト」——一緒に組みたい人の条件
——コミュニティに合う人と、合わない人の違いはありますか?
岡本さん:「共に創る=共創」という価値観に共感していただける方ですね。
たとえば、営業に課題を抱えている方と、営業支援ができる方が出会ったら、そこから一緒に仕事ができる。そういう出会いをつくっていく場なので、相手をリスペクトするという精神が大前提なんです。
会社の規模感や、これまでのバックボーンは関係ないんですよ。隣に座った人を尊敬して、ちゃんと手を取り合える方かどうか。そこを大事にできる方に、ぜひ来てほしいです。
逆に、表面的な肩書きや規模で人を値踏みするような方は、向いていないと思います。
出版マッチング、LLMO支援、女性活躍——実際に生まれている縁
——実際に生まれているマッチング事例を教えていただけますか?
岡本さん:ありますね。
たとえば、マーケティングやCRMの領域でずっとお仕事をされていた方が、本を出したいというタイミングで、うちのコミュニティに本のプロデュースをされている方がいて。そこから出版の話が動きました。
いま商談中で言うと、LLMO支援をやっている会社さんと、そこに支援の余地がある会社さんがマッチングしている案件があります。あとは、営業に困っている方と営業支援ができる会社さん、女性の活躍を本気で信じている企業様と、その文脈で支援できる会社さん——こういう組み合わせが、いまどんどん生まれている状況ですね。
入会いただいたタイミングで一度ヒアリングシートをつくって、3ヶ月後にロングインタビュー、そこから3ヶ月ごとにアップデートミーティング——というふうにカスタマーサクセスチームが伴走するので、「いま動いているテーマ」と「マッチする相手」の鮮度を常に上げ続けられるのが強みです。
「誰しもが、座るべき椅子を持っている」
——3年後、5年後、見ている景色はどんなものですか?
岡本さん:直近で言うと、いまの50社を、今年中に250社、来年1,000社、再来年3,000社。これが短期の数字です。
ただ、自分がやりたい本丸はその先にあって。3,000社規模の信頼できる経営者ネットワークができたら、そこを基盤に「虐待を受けた方と優良企業をつなぐ」事業を再始動させたいんです。
ある方の言葉を借りるなら、「誰しもが、座るべき椅子を持っている」と思っているんですよ。誰にでも、活躍できるフィールドがある。
自分も事務作業や書類整理がめちゃくちゃ苦手なんですけど、それが得意なメンバーが周りにいてくれるから、こうして会社を経営できている。人にはそれぞれ得意・不得意があるから、ちゃんとその人の本質を見て、活躍できる人が増える社会になったらいい。それを私たちは、虐待という領域で、中長期で実現していきたいと思っています。
読者へのメッセージ
「ビジネスの力で、虐待問題を解決する」——このミッションは、自分が一生をかけて取り組むと決めているテーマです。
直近3年は、まずコミュニティ事業の足場を固めることに集中します。だからもし、「共に創る」という価値観に共感してくださる経営者の方、あるいは「将来的に、こうした人材活用や雇用創出に関心がある」という企業の方がいたら、ぜひ一度お話を聞かせてください。
すぐにビジネスになるかどうかは別として、まずはお互いを知るところから。そこからじゃないと、信頼できるネットワークは絶対に育たないので。
会社概要
会社名:株式会社RASHISA
設立:2017年1月23日
代表取締役:岡本翔
事業内容:経営者コミュニティ事業の運営/ビジネスマッチング
取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep/人生ぶち上げチャンネル)
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