2026.06.22 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「日本の魅力を、正しく世界に伝えたい」——インバウンド体験で“差別のない世界”を目指す23歳。GuideMe Japan・無敵三大さん

ゴミが散らかっていない。
この記事の要点
- 01そんな「日本人にとっての当たり前」に、世界が震えるほどの価値があると信じている人がいる。
- 02訪日外国人に向けた京都の早朝ツアーや舞妓鑑賞体験を軸に、創業から数年で年商4億円規模へ。
- 03無敵さん:起業するのが怖いとか、挑戦するのにリスクがあると思われている方は、結構いっぱいいらっしゃると思うんですけど、僕は逆に、挑戦しないことのほうが怖いなと思っていて。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
ゴミが散らかっていない。
そんな「日本人にとっての当たり前」に、世界が震えるほどの価値があると信じている人がいる。GuideMe Japan株式会社の代表取締役CEO・無敵三大(むてき・さんた)さんだ。
カナダで4年、アメリカで10年。人生の前半をほぼ海外で過ごし、高校から日本へ。日本語をほとんど話せないまま編入した教室で、自分の名前をひらがなで書けただけで「すごい」と思った——そんなスタート地点から、無敵さんは同志社大学在学中にGuideMe Japanを立ち上げた。訪日外国人に向けた京都の早朝ツアーや舞妓鑑賞体験を軸に、創業から数年で年商4億円規模へ。会社はTripAdvisorの「アジアのツアーTOP20」にも選ばれている。
一度は伊藤忠商事へ。しかしわずか2ヶ月で退職し、自分の会社へ戻った。その背中を押したのは、「日本人が差別される世界を、変えたい」という静かな確信だった。以下、無敵三大さんへのインタビューをお届けする。
【プロフィール】
会社名:GuideMe Japan株式会社
役職:代表取締役
氏名:無敵三大(むてき・さんた)
京都の「一見さんお断り」を、世界に開く——事業のかたち
ツアーと伝統文化体験を、訪日外国人へ
——まず、GuideMe Japanの事業内容を教えてください。
無敵さん:僕らはツアーとか体験がメインですね。訪日インバウンドの、欧米の方々に、街中を歩くツアーであったり、あとは伝統文化体験。例えば京都ですと、舞妓さんを鑑賞する体験とか、そういったものをメインでさせていただいてます。
1時間で舞妓さんを見るとか、鎌倉を早朝の時間に巡るとか。京都の早朝ツアーとか。そういった体験をメインでやっています。
——売上の規模感でいうと、どのくらいなんでしょうか。
無敵さん:一年目が四千万、二期目が一億六千万、三期目がおそらく四億手前ぐらいの着地になるかなっていう感じで。まあ、小さい会社ですけど、いっぱいやってるっていう感じですね。これまでの累計参加者数も、大体三万五千人ぐらいになります。
正社員が三人で、がっつり入ってくれる業務委託が五人ぐらい。アルバイトの子たちが百人ぐらいで、結構今は現場が回っているので。
「一見さんお断りの世界」をどう開拓したか
——貴社の一番の事業は、やはりツアーガイドなんですか?
無敵さん:そうです。舞妓さんですね。ツアーガイドって、初期費用もあまりかからないので比較的参入しやすいんですけど、その分、1位になるのは結構難しいんですよ。
逆に舞妓さんの鑑賞は、舞妓文化自体がややこしくて。契約書のあまりない世界だったりするんですよね。大きい会社が「舞妓さんをやりたい」となっても、お金だけでは動かないところが多くて。京都って、一見さんお断りという文化があるので。
——舞妓さんとの取引ができない。そこをどうやって開拓したんですか。
無敵さん:まず、紹介ベースじゃないとダメなんです。たまたま僕は紹介していただいて、この世界に入れたんですけど。例えば僕がお茶屋さんに支払いができないとなった場合、僕を紹介してくださった人が、僕の分を全部払わないといけない。連帯保証人みたいな仕組みがあるんです。
だから、誰でも舞妓さんとのコネクションがあるわけじゃない。僕らはそれがあったので、舞妓市場では、訪日インバウンド向けに完全に1位になれたと思います。
カナダ、アメリカ、そして日本——名前をひらがなで書けた日
人生の前半を、海外で
——無敵さんのご経歴をお伺いしたいです。幼少期や学生時代は、どんな経験をされてきたんでしょうか。
無敵さん:日本で生まれたんですけど、生まれてからすぐ、カナダに四年、アメリカに十年住んでました。で、高校になってから日本に戻ってきたんですけど、その時は日本語が何もわからない状況で。英語の中にところどころ日本語を混ぜるくらいのレベルでした。
帰ってきて、同志社国際高校に通って、そのまま同志社大学に行きました。幼少期は、スポーツが好きで、勉強熱心で、結構負けず嫌いなところがあったかもしれないです。
高校時代から筋トレも本格的に始めて。同世代で自分より大きい人がいると、もうそれが嫌でコンプレックスで。一日に朝も晩もジムに行くのを週七で繰り返すのが、楽しくなっちゃったんですよ。その負けず嫌いなところが、多分今の会社経営にもつながってるのかなと思います。
「ひらがなで名前が書けた」ことが、すごいと思えた
——日本語が難しい状況で帰国されて、辛かったエピソードはありますか。無敵さん:海外にいた時は、成績も上位十人くらいには入っていて、親も褒めてくれていたんですよ。でも日本に来た時、一番最初の入学式で、自分のレベルを測る共通テストみたいなものがあって。
僕は、その名前をひらがなで「むてきさんた」って書けたことが、自分にとってはすごいと思ったんですよ。高校生だったので。でも、みんなは普通に書けるじゃないですか、そんなの。ですがそこで結構、落ち込みましたね。
両親はどちらも日本人なんですけど、海外にいた時は家の中でも日本語をほとんど使っていなくて。日本に来る予定も、当時はなかったんです。三週間前に急に父から報告が来て、「どうしよう」みたいな感じで来たので。最初は結構嫌でした。でも今は、海外にいた時より楽しいです。笑
伊藤忠商事を2ヶ月で——「企業戦闘力を試したかった」
学生起業、就活、そして商社へ
——GuideMe Japanを立ち上げたのは、いつ頃だったんですか。
無敵さん:同志社大学三年生の頃ですね。ちょうど就活も絶賛のタイミングだったんですけど、最後に学生時代、何かしら形にしておきたいと思ってスタートしました。最初は本業になるとは全く思っていなくて、どちらかというと副業ぐらいの感覚で。今ではメインの仕事になりました。
就活の時に、ガクチカを作りたいなと思っていたところもあるんですよね。結構、筋トレしかしてなかったので。起業経験が就活にも生きて、伊藤忠商事にも入社できました。
——でも、伊藤忠商事は短期間で退職されたんですよね。背景にはどんな思いがあったんですか。
無敵さん:そもそも一般企業に入ったのは、自分の企業戦闘力を試したくて入ったんですよ。給料が高いとか、福利厚生がいいで入ったわけではなくて。
でも、入ってみると、部長や課長の印鑑集め、どうやって機嫌を取るのか、みたいな話で。本質ではあるのかもしれないんですけど、そこにリソースを割くなら、僕はもう少し違うことをしたいなと思って。入社して二ヶ月で辞めて、自分の会社に戻りました。二十二歳で退職させてもらった感じですね。
なぜやるのか——「日本人が差別される世界を、なくしたい」
差別は、尊敬がないから生まれる
——この事業を続けるにあたって、世界に対して与えたいインパクト、大義のようなものはありますか。
無敵さん:少し大きな話かもしれないんですけど、「日本人が差別されることをなくしたい」というのが根幹にあって。
僕は海外にいた時、あまり差別されることがなかったんですよ。「お前はアジア人だから」とか、そういうことはあまり言われなかった。名前がサンタだし、アメフトもしてたし、フランクで、いい方々ばっかりだったんですよね。
でも、高校で日本に戻ってきた時、周りの帰国子女には、差別されていた人が結構多くて。日本ってこんなに魅力いっぱいの国なのに、なんで差別されなきゃいけないんだろうって、思ってしまって。
差別って、尊敬がないから生まれると思うんです。だから、日本の魅力を正しく海外の人に知ってもらえたら、差別は生まれないんじゃないかなって。日本がちゃんと尊敬されるくらいの国だったら、そもそも差別しようとは思わないと思うので。
「日本の当たり前」は、世界の奇跡
——日本の魅力が、正しく伝わっていないという課題感ですね。
無敵さん:僕がずっと海外に住んでいたこともあって、日本の当たり前って、日本人からすると当たり前すぎて認識できていないんですよ。
例えば、僕が初めて日本に来た時、小学校二年生が一人で電車に乗っていることとか。海外だったらありえないなって思って。あと、街中にゴミ箱が少ないのに、ゴミが散らかっていない。これって信じられなくて。
そういう「日本のすごさ」を、日本人自身が理解できていないところがあると思うんです。だからこそ、それを世界に伝えたい。実はツアーガイドも、もともとアルバイトでやっていたんですよ。でも一人で与えられる影響って限られているので、自分で法人化してやっていきたいと思いました。
10億、そしてその先へ——「大きくできるほど、大きくしたい」
身近な人と、上に行く
——今後のビジョン、無敵さんが成し遂げたいことを教えてください。
無敵さん:四期目は十億以上を狙っています。大きくできればできるほどいいと思っているので、多分百億いったら一千億いきたいと思いますし、一千億いったら一兆いきたいと思う。自分のキャパ的に可能な限り、大きくしていきたいです。
成し遂げたいこととしては、自分の身近な、好きな人たちに、通常ではありえない金額を払って、みんなで上に行く。そういう組織にしていきたいなと思ってます。今は年商四億円の会社なので、まだそこまで給料を払えるわけではないんですけど、それができるくらいの会社、特に身近な人にとってそういう会社にしていきたい。本当に、日本を代表する会社にしていきたいなと思ってます。
ツアー事業者向けのSaaSも
——新しく展開していく事業も考えていらっしゃるんですか。
無敵さん:基本的に、ありとあらゆる業種・業界・産業で結果を出していきたいので、今後もいろいろやっていく予定です。近いうちにやるのは、ツアー事業者向けのSaaSですね。
ツアー事業をやって思ったんですけど、この業界、あまりIT化が進んでいないんですよ。ツアーや体験は、目の前のお客様をどれだけハッピーにできるかが大事なので、そこに集中してほしい。事務的な作業はなるべくしなくていいように、というスタートで、今開発中です。
ちなみに、関連会社でAND FOODという会社もやっていて。マッスルバーを一店舗運営したり、飲食店のコンサルティングのようなこともさせていただいています。
挑戦したいけど、踏み出せないあなたへ
——最後に、挑戦したいけど一歩踏み出せない方へ、メッセージをいただけますか。
無敵さん:起業するのが怖いとか、挑戦するのにリスクがあると思われている方は、結構いっぱいいらっしゃると思うんですけど、僕は逆に、挑戦しないことのほうが怖いなと思っていて。
一回きりの人生ですし。僕の友達でも、最初は「起業したい」と言っていた人が結構いたんですけど、今はみんな丸くなってしまって。「この会社に骨を埋めよう」みたいな子も結構いるんですよね。
だから、本当に挑戦したいという覚悟があれば、全然いいと思います。死ぬわけでもないじゃないですか。それくらいの気持ちで、踏み出してみてほしいです。
会社概要
会社名:GuideMe Japan株式会社
設立:2023年9月
代表:無敵三大
事業内容:ツアーガイド、インバウンドコンサルティング等
所在地:京都府京都市東山区
取材・文:黒澤優一(株式会社One Rep)
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