2026.08.05 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「愛してくれて、ありがとう。」——Tシャツ工場とオーダースーツ、二刀流で仲間の自由を届ける男。合同会社LUCK BOX・谷口玲央さん

「愛してくれてありがとう。」26歳、合同会社LUCK BOX代表・谷口玲央さんの言葉だ。東京都荒川区町屋の住宅街の一角、下町らしい佇まいの建物の中に、オリジナルTシャツを一枚一枚シルクスクリーンで刷り上げる工場がある。警察や消防、自衛隊から個人のチームTシャツまで幅広く手がけながら、個人事業主としてはオーダースーツブランド「Order Suit ZOO」も運
この記事の要点
- 01警察や消防、自衛隊から個人のチームTシャツまで幅広く手がけながら、個人事業主としてはオーダースーツブランド「Order Suit ZOO」も運営する二刀流の経営者だ。
- 02貯金が尽きて日銭を稼ぎにバイトしたこともあるし、売上が思うように立たず、悔し泣きしたこともありますが、つまずいてるというより、成長するために必要な経験と捉えていたので、喜んで泥水すすってました(笑)。
- 03谷口さん:もちろんお客さんが増えて売上が伸びていくのも大事なんですけど、一番は働いている仲間が楽しく、お金にも時間にも気持ちにも自由があって、その人が選んでこの会社にいてくれる状況をずっと作れたら最高だなと思っています。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「愛してくれてありがとう。」26歳、合同会社LUCK BOX代表・谷口玲央さんの言葉だ。東京都荒川区町屋の住宅街の一角、下町らしい佇まいの建物の中に、オリジナルTシャツを一枚一枚シルクスクリーンで刷り上げる工場がある。警察や消防、自衛隊から個人のチームTシャツまで幅広く手がけながら、個人事業主としてはオーダースーツブランド「Order Suit ZOO」も運営する二刀流の経営者だ。
床屋を営む家に生まれ、幼い頃から周囲に経営者が多い環境で育った谷口さん。18歳でアパレルブランドを立ち上げて以来、就職、エンジニア転職、コロナ禍でのバナナジュース事業、オーダースーツ事業と、8年間で幾つもの挑戦を重ねてきた。22歳で法人化し、現在は5期目を迎えている。以下、谷口さん。
「まだ大きな挫折を経験していない」と語る谷口さんが大切にしているのは、「自由」という一つの価値観だ。自分がすべてを決断できる自由、そしてそれを仲間にも届けたいという思い。テコンドーで3度日本一に輝いた少年時代から、今の経営スタイルにたどり着くまでの歩みを聞いた。
プロフィール
会社名:合同会社LUCK BOX(ラックボックス)
役職:代表
氏名:谷口玲央(たにぐち れお)
Tシャツ工場とオーダースーツ。荒川区町屋で走る二刀流経営
社員5人、警察から個人チームまで幅広い顧客
——まず、事業内容を教えてください。
谷口さん:法人としてオリジナルTシャツの製造会社をやっていて、個人事業主としてオーダースーツ業もやっています。法人は5期目で、スーツの方は6期目、起業してからは8年目という感じです。工場は町屋にあって、社員は5名。警察や消防、自衛隊といった官公庁から、学校や個人のチームTシャツ、飲食店まで、結構幅広くお仕事をいただいています。
床屋の息子として育った、下町・町屋の少年時代
周りは経営者だらけ。テコンドーで日本一に
——子どもの頃はどんな環境で育ちましたか。
谷口さん:荒川区町屋の生まれで、家族仲がいい家庭で育ちました。父は3代目の床屋で、地元でずっとお店をやっています。町屋は個人経営のお店が多い、いわゆる下町で、父の友達や親戚に経営者が多かったんです。だから小さい頃から、経営者という存在がすごく身近にありました。今思えば、あれってすごくありがたい環境だったなと思います。
——学校ではどんな性格でしたか。
谷口さん:小学校1年生ぐらいまでは、結構打たれ弱くて、いじめられる側だったんです。それがきっかけでテコンドーを習い始めて、上達するにつれて自信がついていきました。中学3年、高校1年、高校3年で日本一を3回獲得しています。中学に入ってからは自信と余裕ができて、人に優しくできるようになった感覚がありますね。
18歳でアパレル、19歳でエンジニア。転がるように広がった経験
コロナで留学が消え、たどり着いたオーダースーツ
——事業を始めたきっかけを教えてください。
谷口さん:一番最初にお金を自分の力で稼いだのは、18歳で立ち上げたアパレルブランド「No Name Leo」でした。「Sea & City」というコンセプトで、SNSでの発信と友達の口コミだけで販売していたんです。知識も専門的な技術もなかったんですけど、周りの大人や同級生が買ってくれたり広めてくれたりして、なんとか成立していました。
同じ時期に、大手の空調会社に就職して新卒研修も受けました。19歳では、パソコンの知識を身につけたくてリクルートにエンジニアとして転職して。20歳で留学のためにお金を貯めていたんですが、出発直前でコロナのロックダウンに引っかかって行けなくなってしまって。1年待つのも嫌だったので留学は諦めて、その代わりにバナナジュース事業を始めました。
——そこからオーダースーツ、そして今の会社にどうつながったんですか。
谷口さん:留学をやめると決めたタイミングで、21歳でオーダースーツ業を始めました。工場や生地屋さんを回りながら知識をつけていって。もともとのアパレルブランドも続けていたんですが、その頃にはTシャツ作りを始める人がすごく増えていて、それなら作る側に回った方がいいなと思ったんです。いろんな工場を見てきて、各工場の良いところを全て寄せ集めた工場を作れるなと思ったので、新しい構造の会社を作ろうと決めて、22歳で法人を設立しました。小学校からの幼なじみと2人で立ち上げて、工場を持つタイミングでアパレルブランドの方はやめました。
「自由」を求めて経営する
自分で決断できることが、一番の自由
——経営において大切にしている考え方はありますか。
谷口さん:自由を求めてやっています。自由というのは、好き勝手にやるということではなくて、やるべきことをやって責任を果たした上で、すべて自分で決断できる自由のことです。「この人がこう言っているから、こうしなきゃ」ではなくて、全部自分がこうしたいからこうする、と選べる人生でありたいと思っています。自分だけがそれをできても意味がないので、一緒に働いてくれる仲間にも自由になってほしいなと。好きな時に旅行に行ってもらったり、長めの休みを取ってもらったり。やりたいと言ったことを基本的にダメと言わないようにしています。
「まだ挫折したことがない」という感覚
それでも、日々の中にある小さな困難
——これまでで一番大変だったエピソードを教えてください。
谷口さん:正直にお話しすると、あまりつまずいたことがないんです。「めちゃくちゃ困難な状況だ」と思ったタイミングがあまりなくて。だから、まだ経営者として大変な思いをしていないな、という感覚があります。もちろんクレームを受けて焦ることはありますが、それも大変というほどのことではないというか。貯金が尽きて日銭を稼ぎにバイトしたこともあるし、売上が思うように立たず、悔し泣きしたこともありますが、つまずいてるというより、成長するために必要な経験と捉えていたので、喜んで泥水すすってました(笑)。当時は誰にも言ってませんでしたが……。
5人の仲間たち
幼なじみ、同級生、そして偶然の出会い
——今一緒に働いている仲間はどうやって集まったんですか。
谷口さん:会社を作った時に、小学校からの幼なじみと2人で始めて、2〜3年はその2人でやっていました。その後、中学校が同じだった子から「一緒に会社を盛り上げたい」と声をかけてもらって加わってもらって。もう一人は、オンラインでたまたま繋がった女性で、上京するタイミングで会社に入りたいと言ってくれました。専門の服飾学校を出ていて、工場の仕事とすごく相性が良かったんです。1年前には、インスタで募集をかけたら高校の同級生が応募してくれて、今のメンバーになりました。
自分の考えがお金を生んだ瞬間が、一番楽しい
もう仕事が趣味になっている
——会社経営をしていて楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか。
谷口さん:もう仕事が趣味みたいな感覚になっているんですけど、自分が考えたことが形になって、それで初めてお金を生めた時にすごく楽しいと感じます。お金が増えるということは、喜んでくれる人が増えるということでもあるので、お客様から感謝された時に「やっててよかったな」と思いますね。あとは、仲間たちと和気あいあいと問題解決したり、作戦を立てて実行したことがうまくいったりする瞬間も好きです。逆に失敗してPDCAを回しながら改善していくのも、結構好きなんですよ。
今後の展望
売上より、仲間が自由でいられる会社に
——今後の目標を教えてください。
谷口さん:もちろんお客さんが増えて売上が伸びていくのも大事なんですけど、一番は働いている仲間が楽しく、お金にも時間にも気持ちにも自由があって、その人が選んでこの会社にいてくれる状況をずっと作れたら最高だなと思っています。ただ、自分自身まだまだレベルアップしないといけないとも思っていて。話すスキルもそうですし、売上をもっと立てなきゃいけない部分もありますし、自分だけじゃなく仲間たちも稼げる仕組みを作っていきたいですね。
読者へのメッセージ
愛してくれて、ありがとう
——一歩を踏み出せない人へ、メッセージをお願いします。
谷口さん:やりたいな、やってみたいなと思ったことは、全部自分ができることだと思っています。興味を持ったことがあるなら、とりあえずやってみるのが大事かなと。それから、これまで関わってくれたすべての人に伝えたいのは「愛してくれてありがとう」という言葉です。僕はいろんな人にすごく愛されて育ったので、家族にも、友達にも、仲間にも、社員にも、本当に感謝しています。これからは、もらった愛情を少しずつでも返していきたいと思っています。
会社概要
会社名:合同会社LUCK BOX(ラックボックス)
設立:2022年2月
代表:谷口玲央
事業内容:オリジナルTシャツ・アパレル製作(シルクスクリーン印刷、DTF刺繍、インクジェット、カッティングシート)、内装リフォーム、オーダースーツ事業「Order Suit ZOO」
所在地:東京都荒川区町屋2丁目16番6号
取材:河本龍真 文:佐藤大遥(株式会社ONE REP)
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