2026.04.14 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「全部うまくいかなかった。挫折しかしてない」Health&Tech 株式会社 山田航世さん 【人生ぶち上げch】

脳科学×ブレスワーク瞑想で、人間の内側をアップデートする25歳起業家 世界は、外側をアップデートし続けている。 AIが進化し、テクノロジーが革新され、ビジネスの形が変わっていく。しかし、それを動かす「人間の内側」は、果たして変わっているのか。
この記事の要点
- 01脳科学×ブレスワーク瞑想で、人間の内側をアップデートする25歳起業家 世界は、外側をアップデートし続けている。
- 02「オリンピック選手の脳とメンタルの秘密を、ビジネスの現場で使う」——帰国を決めた理由 パリ五輪の後、日本に本帰国 ——東京とパリ、両オリンピックでメンタルコーチングをされていたそうですね。
- 03「経営がわかるって、つまり人間がわかるということ」——3社経営で悩みがない理由 性格診断×デザイアマネジメント×ブレインマネジメントで人間を読む ——現在3社経営されていて、お困りのことはないと言われていましたが、なぜですか?
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
脳科学×ブレスワーク瞑想で、人間の内側をアップデートする25歳起業家
世界は、外側をアップデートし続けている。 AIが進化し、テクノロジーが革新され、ビジネスの形が変わっていく。しかし、それを動かす「人間の内側」は、果たして変わっているのか。
佐賀県唐津市生まれ、海外で若い子を中心に流行している心理学サーベイを日本に持ち込み、オリンピックアスリートのメンタルコーチを経て、26歳で帰国した山田さんは、そう問い続けてきた。以下、山田さん。
海外の大学でテニス留学をしながら起業し、心理学ベースのアンケートサービスを海外・韓国・日本に展開。若い子を中心に流行している心理学サーベイを日本で広めた人物として知られ、東京・パリ両オリンピックで金メダルを輩出したメンタルコーチングの実績を持つ。
現在は海外のIT会社、九州のメンタルインフラ事業、京都の学習塾の3社を経営し、合計約40名のメンバーとともに「人間のOSをアップデートする」ことをミッションに動いている。
「わんぱくだけど勉強もできる」佐賀の田舎少年が持っていた反骨精神
魚釣りと悪ガキ。唐津市で育った少年時代
——生まれ育ちはどんな環境でしたか?
山田さん:佐賀県の唐津市ってところで、唐津焼きで有名な田舎です。魚がとにかくおいしいので、魚釣りをしたり木登りをしたりして育ちました。性格はわんぱくでしたね。「わんぱくなのに勉強もできる」って、自分の中でちょっと誇りにしていました(笑)。
——ご家庭はどんな環境でしたか?
山田さん:母は学校の先生で公務員、父は小さな喫茶店を今も経営しています。家庭は円満でしたけど、僕がいわゆる悪ガキだったので、小学校・中学校・高校で親が菓子折りを持って謝りに行ったことは、何度あったかわからないですね(笑)。ブランコを横から引っ張って別のブランコにぶつけたりとか、怪我をさせて怒られたりとか。
「早稲田に行っても下の下だった」——反骨心が海外行きを決めた
全員が早稲田を選ぶ中、一人だけ海外へ
——高校はどちらに進学されたんですか?
山田さん:佐賀に早稲田の系列高校があって、そこに進学しました。中学校からずっと硬式テニスをやっていたので、テニスで進んだ形です。
——高校卒業後は早稲田大学に進まれたんですか?
山田さん:同期はみんな早稲田に進みましたよ。でも、僕はだいたいずっと大衆じゃない方に行くって決める変な人間なので(笑)。僕一人だけ「行かない」と言って、海外にテニス留学しました。
——なぜ海外だったんですか?
山田さん:「大学でテニスをするか、海外の大学でテニスをするか」という選択肢があって。正直、早稲田のスポーツ科学部って手もありましたが、早稲田に行ったら大学生遊びをしそうだなと思いまして(笑)。成績でも学歴でも、親の財力でも周りの早稲田の学生に勝てないってなった時に、「年収ぐらいしか勝てるところがない」と思ったんですよ。だったら、海外に出た方がいいなと。
「挫折しかしてない。全部うまくいかなかった」——海外起業と心の病
19歳で会社を起こし、心が壊れた
——海外では大学に通いながら起業されたんですか?
山田さん:はい。海外で心理学を使ったサービスを作っていました。求職者が企業にエントリーする時、会社側がその人の人となりをアンケートで把握できるサービスです。アンケートの回答をもとに面接すると、非常に精度の高い採用ができる。心理学×統計学を使った人材アセスメントのサービスですね。それが海外で伸びて、韓国に展開して、韓国から日本に導入しました。
——それが若い子を中心に流行している心理学サーベイとの関係ですか?
山田さん:そうです。もともと若い子を中心に流行している心理学サーベイはアメリカで1914年頃から発想が始まり、ある心理学者の理論をベースにしています。でも、アメリカ人の性格で運用された分析結果がアジア人に完璧に使えるとは思わなかったんです、一緒なわけがないんですよ。
例えばアメリカ人の陽キャって、ビルからプールに飛び込む人間ですけど、日本人の陽キャはお酒を飲んでウェーイってなるぐらいじゃないですか。全然違う。だから、海外の会社からライセンスを買って、アジア人バージョンに是正した物を韓国、そして日本に持ってきたのが、うちの会社だったんです。
——その間、一番きつかった経験は何でしたか?
山田さん:挫折しかしてないですね(笑)。海外に行って、最初は全然テニスで勝てなかった。慣れない中国語で勉強して、仕事も最初はうまくいかなくて。その過程で、心の病気になってしまったんですよ。適応障害です、今振り返ると統合失調症も少しありましたね、髪の毛が抜け過ぎてしまって。すべてのアイデンティティが崩れた感覚でした。
「生理学的に、瞑想で脳みそを変える」——挫折から生まれたブレスワーク瞑想
アスリートのメンタルを変えた手法が、経営者にも効く
——その経験がブレスワーク瞑想の研究につながったんですね。
山田さん:そうです。海外の大学で脳波の研究をしていたので、「瞑想という行為を通じて自分が回復できた」という経験が、研究と直結したんです。一般的なマインドフルネス瞑想って「何も考えない」じゃないですか。でも、スマホ世代の僕たちに、あんなことできるわけがない。集中力が散漫になってるんだから。だから、ブレスワーク瞑想という「動の瞑想」の方が現代人向けだって研究して評価されました。
——具体的に、脳に何が起きるんですか?
山田さん:脳波にはアルファ・ベータ・シータなど種類があって、ベータは日常の覚醒状態、シータは眠る直前の状態です。瞑想をすることで、ベータからアルファに脳波を落とせる。アルファに落ちると何がいいかというと、新しい刺激への処理が簡単になる。
つまり、新しいチャレンジが怖くなくなる脳波なんですよ。日常的に瞑想すると、脳がアルファに落ちる癖がつく。そうすると、勝手にチャレンジし続けちゃうんです。逆に言えば、チャレンジをやめた瞬間に経営は止まるし、悩みが増える。僕は勇気のない男だからこそ、生理学的にそっちに持っていくんですよ(笑)。
——だから悩みがないんですね。
山田さん:そうです。悩もうと思っても、脳がそっちにいかない。瞑想は筋トレみたいなもので、外の筋力ばかり鍛えて、なんで中の筋力は鍛えないの、って思うんですよ。僕も今日もジムに行きましたけど、心の筋トレも同じぐらい大事です。
「オリンピック選手の脳とメンタルの秘密を、ビジネスの現場で使う」——帰国を決めた理由
パリ五輪の後、日本に本帰国
——東京とパリ、両オリンピックでメンタルコーチングをされていたそうですね。
山田さん:はい。海外アスリートを支援していて、両大会で金メダルを取ってくれました。パリの後、次の動きに向けてミーティングをした時に、彼がキャリアを閉じると言ってくれました。そのタイミングで「これが日本に帰るタイミングだな」と思ったんです。
——なぜそのタイミングが日本帰国のきっかけに?
山田さん:オリンピック選手ってハイパフォーマーじゃないですか。そのハイパフォーマンスの秘密を、ビジネスの現場に持ち込んだら、組織の売り上げが上がるだろうなって考えていた。海外の心理学サーベイ事業がスケールした裏にも、実はメンタルの技術を使っていたんです。
だから、これをそのままコンサルティングとして提供したら面白いなと思って帰国しました。外界のアップデートはAIがやってくれる。でも、人間の内側のアップデートって、まだ誰もちゃんとやっていない。僕はそこを変えたかった。
「経営がわかるって、つまり人間がわかるということ」——3社経営で悩みがない理由
性格診断×デザイアマネジメント×ブレインマネジメントで人間を読む
——現在3社経営されていて、お困りのことはないと言われていましたが、なぜですか?
山田さん:経営って、結局は人だと思います。人間のことがわかれば、だいたい経営はわかる。僕は人間を3つの軸で見ています。性格診断マネジメント、デザイアマネジメント、ブレインマネジメント。この3つが分かったら、だいたいうまくいくと信じていますし、今の所うまく行ってます。
——どんな人にメンタルコーチングは向いていますか?
山田さん:シンプルに言うと、売り上げを伸ばしたい人です。個人事業主や経営者、役員の方は、自分で報酬をコントロールできるので、成果が直結しやすい。そして、「本当の自信をつけたい人」ですね。本当の自信には正しい順序があって、メンタルにはちゃんと"場所"があるんですよ。
——メンタルに場所があるとは?
山田さん:お腹です。「腹をくくる」「腹を決める」って言いますよね。あれ、ちゃんと理由があって。本物のメンタルトレーニングは、食事のプロセスと同じ7つのステップで進む。頭で考えて、目で見て、耳で聞いて、口で話して、喉で飲み込んで、胃で消化する。それと同じプロセスで腹、つまりメンタルを鍛えると、本物の自信が作れるんです。
「自分に見合わないお金の使い方をしろ」——くすぶる若者へのメッセージ
5千円の居酒屋より、2万円の割烹料理へ
——人生をうまく歩めていない、くすぶっている若者へのアドバイスをいただけますか?
山田さん:常に自分に似合わないものを買っていったらいいんじゃないですか。5千円の居酒屋に4回行くより、2万円の高級割烹料理に1回行った方が、人生が変わるんですよ。そういう場所には社長しかいない。
かわいい顔して「教えてください」って言ったら、8割の確率で話を聞いてくれる。なぜかというと、その社長も若い頃の自分に重なるから。そうやって環境を変えていくことが、人生を変えることになるんですよ。
——「お酒の脳波」と「瞑想の脳波」が同じというお話がありましたね。
山田さん:そうなんです。お酒を飲むと脳波が下がって、チャレンジが怖くなくなるじゃないですか。だから勇気が出て可愛い女の子に声をかけられたりする。瞑想も同じ仕組みです。ただ、瞑想は日常的にできる。だから、本当に変わりたいなら、21日間でいいから正しいブレスワーク瞑想をやってみてほしい。普通のマインドフルネス瞑想は現代人にはまず続かないので、ブレスワーク瞑想を正しく学ぶことをおすすめします。
「アメリカのメンタルヘルス市場でトップ5を取りに行く」——これからの展望
認知症患者のGPS、臓器提供の経済的インセンティブ……構想は壮大だ
——今後、成し遂げたいことを教えてください。
山田さん:まず、アメリカのメンタルヘルス市場でトップ5に入りたいです。アメリカは日本と比べて人口が3倍多くて、予防医学への感度が100倍違う。病気になったら破産するから、予防する意識が根本的に違うんですよ。そこでまず日本でIPOをします。日本は、瞑想でIPOした会社はまだないので、うちが初めてになれたらと思っています。
——その先のビジョンも教えてもらえますか?
山田さん:アメリカで臓器提供者と銀行口座を紐付ける仕組みです。腎臓や肝臓を提供した場合、紐付けた家族の口座に報酬が入る仕組みにすれば、提供者が増えて、臓器を待っている患者さんが救われる可能性が上がる。
提供の意義に「経済的インセンティブ」を加えることで、社会全体の課題を解決したいんです。 そして日本に戻ってやりたいのが、認知症患者の体内GPSです。認知症になると放浪してしまう方がいて、川で亡くなったり白骨化で見つかるケースが後を絶たない。
マイナンバーの臓器提供の欄に、「認知症」と判定されたら体内GPSを入れることに同意するという選択肢を加えたい。体内なら水没しても機能するし、脱着の可能性がなくなるから、家や施設を離れた瞬間に通知が来て、早期発見できる。大切な人の最期に、綺麗な形で会いたいじゃないですか。
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取材・文 株式会社One Rep 河本龍真
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