2026.07.19ぶち上げインタビュー

ぶち上げインタビュー「あと経験してないのは、上場社長だけ」——創業130年・年商20億円の老舗を畳んだ5代目の、再起。ミライトレイズ株式会社・古川大策さん

「あと経験してないのは、上場社長だけ」——創業130年・年商20億円の老舗を畳んだ5代目の、再起。ミライトレイズ株式会社・古川大策さん

「あと経験していないのは、上場社長だけなんですよ」。そう言い切る男は、後継社長も、フリーランスも、創業社長も、すでに走り抜けてきた。 ミライトレイズ株式会社を率いる古川大策さん。動画編集の代行業を手がけながら、いまはYouTubeを軸に、自身のSNS発信へ本腰を入れている。切り抜きをTikTokやInstagramへ広げ、世の中への「訴求力」を一から積み上げ

この記事の要点

  • 01そう言い切る男は、後継社長も、フリーランスも、創業社長も、すでに走り抜けてきた。
  • 02創業130年ぐらい続いている会社で.僕も跡を継ぐつもりで二十五歳ぐらいの時に父に頭を下げて、「この会社をやっていきたいから入社させてくれ」と頼んだんです。
  • 03だから「SNSに本腰を入れる」と言った時の反発はすごかったですけど、新しく事業をやるなら、自分で世の中に訴求する力を、絶対に身につける、それがSNSを始めた理由です。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

「あと経験していないのは、上場社長だけなんですよ」。そう言い切る男は、後継社長も、フリーランスも、創業社長も、すでに走り抜けてきた。

ミライトレイズ株式会社を率いる古川大策さん。動画編集の代行業を手がけながら、いまはYouTubeを軸に、自身のSNS発信へ本腰を入れている。切り抜きをTikTokやInstagramへ広げ、世の中への「訴求力」を一から積み上げている最中だ。

創業130年、最高年商20億円。三重県伊勢市で誰もが知る老舗書店の5代目社長として、教科書販売から多角化事業までをになった。しかし,その会社を、彼は自らの代で倒産させている。その後自ら起業し、NHK『大人リセット計画 童心キングダム』にも出演した。

過去の栄光と、いまの現在地。その落差を誰よりも直視しながら、なお「上場」という一点を見据える古川さんに、その原点とこれからを伺った。以下、古川さん。


【プロフィール】

会社名:ミライトレイズ株式会社

役職:代表

氏名:古川大策(ふるかわたいさく)


いまは「訴求力」を、一から——動画編集からSNS発信へ

——まず、いまの事業について教えてください。

古川さん:ミライトレイズという会社で、動画編集の代行業をやっています。最初はお客様の動画を編集する代行がメインだったんですけど、今ちょっと逆転しちゃってるんですよ。

自分のSNSから仕事が入ってくるようになって。だから今は、動画編集の代行よりも、自分自身のSNS発信のほうに重きが移っている感じですね。

——SNSは、どのプラットフォームが中心ですか?

古川さん:基本のメインはYouTubeです。YouTubeで出した動画の切り抜きをTikTokに上げる、というのをもう一年七ヶ月ぐらいずっとやってきました。

インスタはほぼ放置だったんですけど、さすがにサボりすぎかなと思って、最近になって切り抜きを上げ始めたところです。稼働させたのは、ほんとにこの一、二週間の話ですね。

まずSNSを育てて、自分の訴求力をつける。そのうえで、また好きな事業をやればいいと思っているんです。


負けず嫌いで、わんぱくが行き過ぎた少年

何でも勝ちたかった

——幼少期は、どんなお子さんでしたか?

古川さん:めちゃめちゃ負けず嫌いでしたね。どっちかというと、わんぱくが行き過ぎた感じで、喧嘩っ早かったんですよ。

何でも勝ちたい。今の僕からは全然想像つかないと思うんですけど(笑)。もう四十前なので、さすがに落ち着きましたけど、当時はそんな子でした。

サッカー少年が、ぐれるまで

——スポーツはやっていましたか?

古川さん:サッカー少年でした。地元のクラブチームに所属して、ずっとサッカーをやっていて。

ただ、中学に上がると同時に、訳あって辞めちゃったんです。進学した中学にサッカー部がなくて。仕方なく、幽霊部員みたいな形でバスケ部に籍だけ置いていました。

高校ではもう部活はやらなかったですね。スポーツは頭からすっかり消えました。勉強も大してしていなくて。中学でサッカー部がなかった時点で、僕、ちょっとぐれていたので。優等生とは、かけ離れた生徒でしたよ。


「今日から社長か、閉めるか」——父の蒸発

——ご両親も経営者だったんですね。

古川さん:そうなんです。前の会社が後継ぎで、僕で五代目の社長でした。

創業130年ぐらい続いている会社で.僕も跡を継ぐつもりで二十五歳ぐらいの時に父に頭を下げて、「この会社をやっていきたいから入社させてくれ」と頼んだんです。最初は猛反発されましたけどね。

——そこから、状況が一変したと。

古川さん:入社して三年ぐらい経った頃に、父が突然蒸発しちゃったんですよ。

それで、「今日から会社を閉めるか、今日から社長か」みたいな状況になって。僕、大学に行けなかった高卒なんですけど、そこからいきなり五代目社長になったんです。


創業130年、年商20億円の看板が倒れた日

三重県南部で、知らない人はいない会社

——どんな会社だったのですか?

古川さん:本業は、130年続く本屋です。オーソドックスな書店業ですね。それと、学校に教科書を納める仕事。これがメインでした。

ただ、書店って右肩下がりの業界なので、他の業種にも多角化していって。多い時で店舗が六つ、教科書は伊勢市内の学校の七割以上を独占していました。

最高年商は20億円。今だから言えますけど、三重県南部でうちの会社を知らない人はいないぐらいでしたよ。

コロナが、すべてを止めた

——その会社を、畳むことになった。

古川さん:社長を七期やって、倒産という形になりました。大きかったのは、倒産する前にカフェをオープンさせていたことなんです。

大きく融資を引っ張って店を出して、その一ヶ月後にコロナが来ちゃって。ドカーンと展開した瞬間だったので、これが大きな倒産理由になりました。

20億規模で、130年続いた会社を、自分の代で倒産させる。当時、僕はまだ三十代前半でしたから、その恐ろしさは、今も忘れられないですね。


ゼロからの再起——独学の動画編集と、SNSという武器

——倒産後は、どうされたのですか?

古川さん:正直、何をしていいか分からなくなりました。ただ、どこかに勤めに行くという選択肢は、はなからなかったんです。

それで、まず個人事業主として動画編集業をスタートしました。編集は、独学で覚えて。ひたすら作業なので資産の積み上げにはならないんですけど、この編集スキルがあれば自分でもSNSをやれるよね、と思って。編集代行で食いつなぎつつ、自分のSNSを始めました。

——なぜ、そこまで「訴求力」にこだわるのでしょう。

古川さん:前の会社で、本当にいろんなことに挑戦したんです。本屋、食品加工、カフェ、ネットカフェ、不動産、ECでプロテイン販売まで。

何をやるにしても、結局は宣伝、訴求力なんですよ。事業なんて、どこかで広告の殴り合いになる。その力を怠っていたことが、僕の一番の反省点で。

だから「SNSに本腰を入れる」と言った時の反発はすごかったですけど、新しく事業をやるなら、自分で世の中に訴求する力を、絶対に身につける、それがSNSを始めた理由です。倒産を経験してからは、ずっと一人。今も、雇用は一人だけで貫いています。


NHKに出た男より、TikTokの古川が強い

——NHK『大人リセット計画 童心キングダム』に出演された経緯は?

古川さん:YouTubeを始めて一発目の動画が、ちょっと伸びたんですよ。五万回ぐらい。

「倒産しました、悲しいです」というテイストの動画だったんですけど、それを番組の担当さんが見ていたんでしょうね。DMが来て、「出てください」と。YouTube一個目でいきなりNHKから声がかかって、「YouTubeすげえ」って本気で思いました。

——出演後の反響はいかがでしたか?

古川さん:肩書として語れる部分は大きいんですけど、それで直接何かがあったかというと、正直ないんです。

むしろ反響があったのはTikTokのほうで。しかも面白いのが、「NHKに出ていた古川さん」じゃなくて、「TikTokの古川がNHKに出てる」って逆になっているんですよ。「時代はそっちだな」と思いましたね。


「継続は力なり」——折れそうな夜に

——経営で一番大切にしている価値観は?

古川さん:ベタかもしれないですけど、「継続は力なり」ですね。

一人でずっとやっていると、どうしても心が折れる時があるんですよ。めちゃめちゃ時間をかけても、全然再生が回らなかったり。本当にやめたくなる。

でも、絶対に継続は力なりだと。それを常に心に刻みながら、一週間を過ごしています。

——ロールモデルにしている人はいますか?

古川さん:実は、あまり意識していないんです。誰かを真似て、誰かに似ていくのが嫌で。

独立した個性が欲しいと常々思っているので、あえて真似しないようにしています。ロールモデルは、強いて言うなら自分自身ですかね。


40億、上場、登録者50万——10年以内の約束

——5年後、10年後の目標を教えてください。

古川さん:YouTubeはビジネス系なので、百万登録は難しいと思っています。エンタメじゃないので。でも、五十万は超えたい。

売上でいうと、前回の最高年商が20億だったので、その倍の40億以上は行きたいですね。

——さらにその先は。

古川さん:僕、後継社長も、フリーランスも、創業社長も経験したんです。あと経験していないのって、上場社長だけなんですよ。

だから、上場は絶対にしたい。言うのは簡単なんですけどね(笑)。年商40億以上、上場、登録者50万。これは十年以内に、絶対に達成したいです。


「まず、証券口座をつくれ」——踏み出せない若者へ

——起業したいのに一歩踏み出せない若者に、伝えたいことは?

古川さん:今の会社に不満はあるけど、なかなか環境を変えられない人も多いと思うんです。これは僕がYouTubeでもよく言っているんですけど、メンタル論じゃなくて、実践的な話をします。

起業したいなら、まず株式投資に挑戦してみるといい。株って、自分のお金がかかるじゃないですか。得するか損するかの世界に、否応なく追いやられる。

しかも株は、その会社の経営に片足を突っ込むようなことなんです。必死で決算書や経営状況を調べるから、リテラシーがどんどん上がっていく。株式投資が、僕の経営人生の始まりでした。

——最後に、若者へメッセージをお願いいたします。

古川さん:十万でもいいから、まず証券口座をつくって、株式投資に挑戦してみて欲しいです。嫌でもその世界に首を突っ込むことになるので、だんだん経営者としての目線が見えてくる。若い子はお金を持っていないからこそ、そこから始めてほしい。証券口座を、まずつくれ!(笑)


過去の栄光を誇るでもなく、倒産の傷を隠すでもなく。古川さんは「訴求力」という一点の反省を、次の挑戦の武器へ変えようとしている。継続だけを信じて一人発信を続ける日々の先に、彼は上場という景色を見据えている。まだ何者でもない、と本人は言う。けれど、その現在地こそが、いちばん強い。


会社概要

会社名:ミライトレイズ株式会社

事業内容:動画編集代行業、およびSNS(YouTube・TikTok・Instagram)を活用した情報発信

YouTubeチャンネル:https://youtube.com/@sakku0911?si=SJE7VVWGCRnkq33U


取材・文:佐藤大遥(株式会社One Rep)

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