2026.06.27 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「諦めたんですよ、できないことは」——ADHDと向き合いながら、5つの事業で年商3億を築いた営業人生 株式会社Give estate 代表取締役 甲斐勇利

朝が苦手で、忘れ物が多くて、スケジュール管理が下手。そんな「普通の会社員には向いていない」と自覚していた青年が、訪問販売から不動産、人材・転職、保険代理店、軽貨物運送業まで5つの事業を手がける経営者へと成長した。
この記事の要点
- 01そんな「普通の会社員には向いていない」と自覚していた青年が、訪問販売から不動産、人材・転職、保険代理店、軽貨物運送業まで5つの事業を手がける経営者へと成長した。
- 02学生時代からバイトで成果報酬型の仕事にしか就かず、卒業と同時に独立の道を選んだのが、現在50名規模の組織を率いる甲斐勇利さん(以下、甲斐さん)。
- 03幼少期から活動意欲は旺盛で、バスケや水泳など次々と挑戦しつつも、学校の規律には馴染めなかった。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
朝が苦手で、忘れ物が多くて、スケジュール管理が下手。そんな「普通の会社員には向いていない」と自覚していた青年が、訪問販売から不動産、人材・転職、保険代理店、軽貨物運送業まで5つの事業を手がける経営者へと成長した。
学生時代からバイトで成果報酬型の仕事にしか就かず、卒業と同時に独立の道を選んだのが、現在50名規模の組織を率いる甲斐勇利さん(以下、甲斐さん)。年商は約3億円。それでも本人は「なんとかなるかなと思ってただけですよ」と笑い飛ばします。
幼少期から活動意欲は旺盛で、バスケや水泳など次々と挑戦しつつも、学校の規律には馴染めなかった。朝礼に遅刻し、授業中は眠り、それでもなぜか人を惹きつける力があった。社会への「不適合」を武器に変え、自分のできないことは潔く手放し、できることに全力を注ぐ——その生き方がやがて事業を拡大させていきます。
ADHDの傾向を自覚しながら、「できないことはできる人に任せればいい」と開き直った甲斐さんが今描くのは、仕組みで全員が月収100万円を稼げる組織づくり。——その人生観と経営哲学について、深く掘り下げました。
プロフィール
会社名 株式会社Give estate
役職 代表取締役
氏名 甲斐勇利
5つの事業と50名体制——営業から始まった複合型ビジネスモデル 訪問販売・不動産・人材・保険・軽貨物。異業種を束ねる「強み」とは
——まず、現在の事業内容について教えてください。
甲斐さん:大きく5つあります。1つ目が訪問販売を中心とした営業事業、2つ目が不動産、3つ目が転職・人材紹介、4つ目が保険代理店、そして5つ目が軽貨物運送業です。メンバーは全体で約50名で、年商はだいたい3億前後ですね。
事業部によってメンバーの構成もバラバラで、運送業は40〜50代のベテランが多く、保険はアクサやオリックスでしっかり数字を上げてきた営業マンもいれば、まったくの未経験から訪問販売で頑張っている20代前半の子もいます。結構幅広いんですよ。
——組織の強みはどこにあると感じていらっしゃいますか?
甲斐さん:各事業部に、その業界のトップセールスとまでは言えないかもしれないですけど、ちゃんと教育できる人材がいることですね。未経験の方が入ってきても、ある程度しっかりとした営業マンに育てられる環境が整っています。
保険代理店なら保険のプロ、不動産なら不動産のプロ、というように各事業部に専門家がいる形です。1つに特化した会社ではないからこそ、複数の領域でキャッシュポイントを持てるのが強みだと思っています。
朝礼に行けず、授業中は眠り続けた学生時代——ADHDとの静かな格闘
「社会不適合者だなって、ずっと思ってました」
——甲斐さんの幼少期はどんなお子さんでしたか?
甲斐さん:本当にこう……社会適合者じゃなかったですね。小学生の頃から朝は起きられないし、授業中はずっと寝てて怒られるし。ただ活動意欲はすごくあって、バスケを始めたり水泳をやったりと、いろいろチャレンジはしていたんですけどね。
中学に上がっても、朝礼どころか一二時間目からこっそり登校して怒られる、その後また授業中に寝るっていう繰り返し。問題行動とかじゃないんですけど、どうしても順応できなかった感じです。
——ADHDの傾向があると感じていらっしゃると伺いました。
甲斐さん:明確に診断を受けたわけじゃないんですけど、自分でそうだなって思うことは結構あります。今でもスケジュール管理は苦手で、細かい事務作業やルーティン系のものはめちゃくちゃ苦手ですね。
おもしろいなと思った例があって、ペットボトルの水を買うと、最後ちょっとだけ残っちゃうんですよ。で、それを冷蔵庫に入れておくんですけど、気づいたら同じ量しか入ってないペットボトルが10本以上になってた(笑)。それを人に話したら、「それADHDあるあるだよ」って言われて、「あ、そうなんだ」ってなりました。
——そういった特性と、どのように向き合ってきたのでしょうか?
甲斐さん:諦めたんですよ、もう。できないことをどうにか改善しようとするより、できることに集中した方が絶対いいな、って。事務作業や経理は、できる人にやってもらえばいいじゃないですか。その分、僕は売り上げを作ることや人と会うことに時間を使えばいい。
そうやって棲み分けした方が、クライアントさんにも迷惑がかからないし、全員がプラスになる。開き直りと言えば開き直りなんですけど、それが今の組織の形にもつながっていると思います。
固定給もなく補償もない、成果報酬だけのバイトしかしなかった——そのまま独立へ 「普通に就職したら学生の時より収入が減る」という現実的な計算
——新卒で独立を選んだ理由を教えてください。
甲斐さん:もう単純な話で、学生の時から成果報酬型のバイトしかしたことがなかったんですよ。固定給もなければ補償もない、やっただけ稼げるって形だけ。それに慣れてたので、普通に就職したら学生時代より収入が下がるなって思って。
あと、毎日決まった時間に働くのが多分無理だろうなっていう確信もあって(笑)。なのでまあ一回自分でやってみようかな、稼げるだけ稼いでみようかな、くらいの気持ちだったんですよね。すごく浅いんですけど。
——スキルゼロから、どうやってスタートしたのでしょうか?
甲斐さん:学生の時からお付き合いのあった方が営業会社をやっていて、その縁で始めました。営業って、特別なスキルがいるわけじゃないじゃないですか。基本的には人と話せればいいわけで、やったらやっただけの世界。忍耐力と根性みたいなもんだなと思って。
僕はそもそもできることが少なかったので、逆にそれで選んでる余地もなかった。「これがいいよ」って言われたものを一回やってみようっていう、それだけです。失敗したら?なんて考えなかったですね。どうにかなるだろうって感じで。
挫折はない、ただ「やっちゃったな」がある——周囲への申し訳なさを燃料に 「お金がなければ夜バイトすればいい」シンプルすぎる危機管理
——起業してから一番つらかった経験はありますか?
甲斐さん:正直、これがめちゃくちゃきつかった、みたいなものがないんですよね。お金がなくなったとしても、朝から稼働して夜バイトすればいいかって。さすがにもうそれはやりたくないですけど(笑)。
独立したての頃は、スケジュール管理が全部自分になるので、入れ忘れでオンライン打ち合わせをすっぽかしてしまったこととかはありましたね。先方に迷惑をかけたなって思うことはあった。辛いというより、申し訳ないっていう気持ちです。僕が100%悪いので、それで僕が辛いというより、本当に申し訳なかったって。
——そのポジティブな解釈は、どこから来るのでしょうか?
甲斐さん:周りに恵まれてきたんですよ、本当に。何かあったときに助けてくれる人が、昔も今もたくさんいる。もしダメになっても、知り合いの会社にこっそりお願いして、そこで一回仕事させてもらって、また挑戦すればいいかって思えたんですよね。
頼りにできる人がいると、「どうしよう」ってなりにくいんですよ。それはやっぱり運がよかったというか、人に本当に恵まれてきたなと思います。
「全員が仕組みで稼げる組織」へ——月収100万円ラインの設計図 属人化を排し、入ってきた全員が結果を出せる仕組みをつくる
——会社の課題はどこにありますか?
甲斐さん:採用の部分と、全体的な底上げですね。教育できる人材は各事業部にいるんですけど、みんな自分の数字も追いながらプレイヤー兼マネージャーという形なので、新しい人が複数一度に入ってきたときに、全員に100%の時間を使えるかというと難しい。
できる人とできない人の差がどうしても生まれてしまうので、全体の底上げを早急にやっていかないといけないっていうのは感じています。
——今後の目標を教えてください。
甲斐さん:仕組みで全員が稼げる形を作りたいです。営業って属人的になりがちで、能力値の差が収入にそのまま出てしまう。でもその仕組みに則ってやれば、最低でも月100万は稼げるよね、っていうラインを作れたら、すごいなと思っていて。
そこから先は自分のスキルや活動量次第だよっていう形にしたい。集客の仕方、数字の合わせ方、管理のやり方を全部パッケージ化して仕組み化しないと、入ってきた人がやめていくことにもなるので。時間はかかると思うんですけど、それが一番大事な目標です。
こんな人に来てほしい——「真っ白」な人も「稼ぎ頭」な人も 成長意欲があればスキルは問わない。副業・転職・インターン、形は問わない
——どんな人と働きたいですか?
甲斐さん:大きく2パターンあります。1つは、何のスキルもないけど何かに挑戦したい、自分を変えたいっていう人。マインドがまだ真っ白な人は、こちらでいろんなことができる環境を提供できると思うので。
もう1つは、すでに営業マンとして形はできているんだけど、もっと稼ぎたい、もっと提案できる幅を広げたいっていう人。不動産をやりながら保険も扱えて、転職サポートもできるっていう形なら、うちの中で複数のキャッシュポイントを持てる。そういう意欲がある営業マンの方にも、すごく合っていると思います。
——働き方の形は問いませんか?
甲斐さん:全然問わないです。がっつり一緒にやるだけじゃなくて、副業から始めるとか、インターンで入るとか、大学生でもいいです。最初は少しずつ一緒にやれることをやりながら、後々うちにがっつり来てくれたら最高だし。
まず話を聞いてみて、うちと何かマッチする部分があれば、形は問わずに一緒に動ける部分を見つけていきたいなと思っています。
「この人の言う通りにやる」と決めることが、最短ルートだと思う——成長途上の人へのメッセージ 自分で考えるより先に、尊敬できる人を見つけて全力でついていく
——成長意欲はあるけれど、何から始めればいいかわからない方へのアドバイスをお願いします。
甲斐さん:考えても仕方ないので、まず「この人の言う通りにやる」と決める人を見つけてほしいです。いろんな人に会っていく中で、こういう人になりたいなっていう人を見つけて、その人の言う通りに全部やってみる。
自分で考えたって、それが合っているか合っていないかってわからないじゃないですか。考える時間があるなら動いた方がいいし、動くなら遠回りしないために尊敬できる人を見つけてついていく。決めた目標を達成するまでは、一旦そこでやりきってから次を考えればいい。
——教えてもらっているばかりで申し訳ない、という気持ちになることもありますよね。
甲斐さん:それはもう、自分が成長して稼げるようになったことで恩返しをするって考え方でいいと思います。目上の方って、教え子が成長して稼げるようになること、それ自体が嬉しいと思ってくれるはずなので。
だから、申し訳ないなっていう気持ちを、できるだけ早く返したいっていうモチベーションに変えて、まず目標を達成する。その後でしっかり恩返しをすればいい。それでいいんじゃないかと思います。
——最後に、今の人生は楽しいですか?
甲斐さん:めちゃくちゃ楽しいですね。仕事してる感覚もあまりなくて、一緒に動いている仲間が大きな仕事を決めたときにお祝いに行ったりとか、その子の奥さんや彼女が喜んでいるSNSを見たりとか。そういうふとした瞬間に、今の働き方っていいなって思います。
あとシンプルに、お酒飲んでる瞬間が楽しい(笑)。日々のポイントポイントで、やってよかったなって思えることが多いですね。
取材・文:河本龍真(株式会社One Rep)
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