2026.04.14 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「ただ眉毛が好きなだけ」──ギャルマインドで4店舗を率いるアイブロー職人の生き様。TOKYO BABE・みちこさん【人生ぶち上げch】

「頭が悪いから、行動がすごく大きいんです」
この記事の要点
- 01「頭が悪いから、行動がすごく大きいんです」 そう笑いながら話す彼女は、アイブロー(眉毛)サロンを4店舗展開し、25名以上のスタッフを抱える経営者だ。
- 02ビジネスパートナーとして二人三脚の経営スタイルで、業界でも異彩を放つ存在だ(以下、みちこさん)。
- 03今回は、「お金より技術」を貫き、ギャルの行動力で業界の常識を覆してきたみちこさんの、起業の原点と経営哲学に迫る。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「ただ眉毛が好きなだけ」──ギャルマインドで4店舗を率いるアイブロー職人の生き様。みちこさん
「頭が悪いから、行動がすごく大きいんです」
そう笑いながら話す彼女は、アイブロー(眉毛)サロンを4店舗展開し、25名以上のスタッフを抱える経営者だ。社長は元旦那さん。技術と現場はみちこさんが担い、数字と経営管理は元旦那さんが担う。ビジネスパートナーとして二人三脚の経営スタイルで、業界でも異彩を放つ存在だ(以下、みちこさん)。
美容師免許を取得後、20歳で眉毛サロンに就職。しかし「マインドがギャルすぎて」上司と衝突し、即座に退職。その後、同僚とレンタルルームで施術を始め、銀座で出会った投資家の支援を受けて独立。24歳で当時の彼氏(現・元旦那さん)に会社を辞めてもらい、二人で会社を設立。「私が技術、あなたが数字」という役割分担で、アイブローサロンを拡大してきた。
今回は、「お金より技術」を貫き、ギャルの行動力で業界の常識を覆してきたみちこさんの、起業の原点と経営哲学に迫る。
■ プロフィール
氏名:みちこさん
役職:アイブローサロン 代表
起業のきっかけ──「この社長でもできるなら、私にもできる」
ブラック企業での原体験が、起業の火をつけた
──まず、今の事業を始めたきっかけを教えてください。
みちこさん:最初に就職した眉毛サロンが、もうガチのブラック企業だったんですよ。でも私、ブラック全然平気で。体育会系でめちゃくちゃタフだったから。ただ、その社長を見ていたら「これ、私でもできるな」って思っちゃって。もっとこうしたいとか、アイデアがバーっと出てきて。でも文句を言うなら自分でやれよって話じゃないですか。だから「じゃあ自分でやるしかない」と。
独立の道のり──レンタルルームからのスタート
銀座の投資家との出会いが転機に
──20歳で退職してから、どうやって事業を立ち上げたんですか?
みちこさん:辞めてすぐ、一緒に働いていたスタッフと2人でレンタルルームを借りて、施術を始めたんです。別に事業ってわけでもなくて、「適当に生活できたらいいよ」くらいのノリで。そしたら、もう1人のお姉さんが銀座のラウンジで働いていて、そこで出会った方が「1年間、お金を出してやるからやってみろ」と。綾麗なサロンを借りて、最低限2人が食べていけるくらいの環境を整えてくれたんです。
ビジネスパートナー経営の誕生──「彼氏に会社を辞めてもらった」
「私が技術、あなたが数字」の役割分担
──元旦那さんが社長をされていると伺いましたが、その経緯は?
みちこさん:1年後、一緒に始めたスタッフと方向性が合わなくなって、別々の道を行くことになったんです。そのとき24‒25歳くらい。私、数字が全くできないんですよ。本当に。で、当時付き合ってた彼氏が会計できる人だったから、「会社辞めてよ」って。私が技術で稼ぐから、あなたは数字を見てって。2人が食べていければいいじゃんって。普通、彼氏に仕事辞めてもらうなんて発想、ないじゃないですか。頭が悪いから、行動が大きいんですよね(笑)。
でもそれがよかった。今、社長は元旦那で、経理や資金調達、銀行対応を全部やってくれています。私は現場と技術講習、従業員のメンタルケア。めちゃくちゃ仲いいですよ。一度離婚もしたんですけど、一緒に事業をやるようになって。今はもう全然いい関係です。
事業の強み──男女半々の客層と正社員雇用
業界の常識を覆す経営スタイル
──アイブローサロンとして、他社との違いはどこにありますか?
みちこさん:まず、お客さんが男女半々なんです。これ、業界ではかなり珍しいって言われます。メンズ専門の眉毛サロンが増えている中で、男性の比率が半分というのはほとんど見ないらしいです。
それと、スタッフは全員正社員です。美容業界ってフリーランスや業務委託が多い中、うちは正社員で雇用しています。初任給23万からスタートで、一番稼いでいる子は月70万もらっています。正社員でこの水準は、多分業界トップクラスだと思います。
技術へのこだわり──「3カ月みっちり研修しても、まだまだ下手くそ」
コロナ以降急増するアイブロー業界への危機感
──アイブロー業界の現状をどう見ていますか?
みちこさん:コロナでマスク生活になってから、眉毛サロンがめちゃくちゃ増えたんですよ。口元が隠れるから、眉毛だけが表情を作る。それで「儲かりやすい」って、技術講習をちょっと受けてすぐ開業する人がすごく多くなった。ビジネスとしては間違ってないけど、技術が好きな身としては、適当な技術が広がっていくのがすごく嫁なんです。
うちは2017年からやっているので、9年目。当時はホットペッパービューティーに載っても2件ぐらいしかなかった。それが今、ものすごい数のサロンが出てきている。うちの子たちは3カ月みっちり研修してもまだまだ下手くそなのに、そんなすぐできるわけないじゃんって思うんですけど。でもこれが世の流れだから、もっといい技術が広まればなあと思っています。
モチベーションの源泉──「仕事が楽しくないと、生きていけない」
お金ではなく、「好き」を追いかける純度
──経営者としてのモチベーションは何ですか?
みちこさん:お金に興味がないんですよ、私。当時も今も。眉毛の技術が好きだから、ただただそれをやっていたいだけ。めちゃくちゃ仕事してたし、給料も生活できる程度だったけど、全然幸せでした。
人生の大半を仕事に使うんだから、仕事が楽しくないと生きていけない。あと、私恋愛体質だから、彼氏と24時間一緒にいるのが最高で。仕事で離れるのが寂しいから、一緒に仕事したらずっと一緒にいられるでしょって。それがモチベーションになってるんですよね(笑)。
一番きつかったこと──「従業員と通じ合えない」
お金ではなく情熱で動く自分と、そうではないスタッフとのギャップ
──経営していて一番きつかったことは何ですか?
みちこさん:従業員と通じ合えないときです。店舗展開して人が増えてくると、全然通じ合えない。私はお金に興味がないから、「やったことにお金がついてくる」と思っている。でも、「先にお金ください、そしたらやります」というスタイルの人もいる。「ボーナスは?」「なんでやるんですか!」みたいな。悪いことじゃないんですけど、私の気持ちって全く伝わってないんだなって。それがしんどい。
あと、人が辞めていくのがつらい。社長はビジネス的に「1人辞めたら100万円の売上がなくなるから、補充だ」と割り切れる。でも私は感情に左右されちゃうタイプだから、そこがきつい。でも逆に、そのバランスでうまく回っているのかもしれないですけどね。
価値観の変化──「自分の会社なら思い通りになると思っていた」
経営を通じて知った「人は思い通りにならない」という真実
──事業を始める前と後で、変わった価値観はありますか?
みちこさん:「人間は思い通りにならないんだな」って。いくら自分の会社を立ち上げたからって、自分の思い通りにならないし、人の言うことを聞いている方が楽なんだなって。自分で考えて、人を動かして、責任を背負って。24時間頭が動いている。自分の店を持ったら全部思い通りになって楽だと思っていたけど、考えることが多すぎる。でも、今の方が豊かではありますけどね。
人柄の魅力──「ちゃんとしてない経営者」の強さ
距離感のないリーダーシップが人を集める
──みちこさんの人柄についていくと、「親しみやすい」とよく言われるとか。
みちこさん:絶対言われます。ちゃんとした経営者っていうか、ちょっとちゃんとしてないんですけど(笑)。でも、よくも悪くも距離感がない。技術指導も、「右手がこうでこうで」って細かく言わない。「いけるよ、大丈夫」みたいな感覚で。こういうのが無理な人は辞めていくんですけど、合う人はめちゃくちゃついてきてくれる。ギャルが集まるみたいな感じですね。楽しいですよ。
従業員との向き合い方──面談とメンタルケア
25人のスタッフ一人ひとりと向き合う姿勢
──従業員とのコミュニケーションで心がけていることは?
みちこさん:一人ひとりと面談するようにしています。最近は施術が忙しくて時間が取れないから、「今月、面談したい人は連絡ください」って声をかけているんです。そうすると、みんな連絡くれるから、「どうしたなぁ」みたいな感じで話を聞いています。技術講習とメンタルケア、この2つが私の役割ですね。
読者へのメッセージ──「考える前に動け」
ギャルマインドが教える、起業の本質
──最後に、これから起業を考えている人へメッセージをお願いします。
みちこさん:考えすぎないことかな。私は頭が悪いから、考えるより先に動いちゃう。それでうまくいったこともあるし、失敗もたくさんした。でも、考えて動かないより、動いてから考えた方が結果的に早い。完璧な準備なんて永遠にできないから、とりあえずやってみる。それでいいんじゃないかな。お金じゃなくて、好きなことを見つけて。それが一番強いと思います。
■ 会社概要
事業内容:アイブロー(眉毛)サロン運営(4店舗)
屋号:TOKYO BABE
従業員数:約25名
代表:みちこさん(TOKYO BABE)
取材・文:木村光志(株式会社One Rep)
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