2026.04.14 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「職人はかっこいいぞ」——SNSの力で建設業界を変える男。マグロ建設・押川聖(おしかわしょう)さん【人生ぶち上げch】

「人生の主人公は、君自身だ」
この記事の要点
- 01高校卒業後にアメリカへ渡り、学生起業家としてイベント運営やレンタカー事業、不動産事業に従事。
- 02「なりたくない職業ランキング」に名を連ねる建設業を、「なりたい職業ランキング1位」にする──その壮大なビジョンの裏側にある、起業家としての哲学と覚悟を聞いた。
- 03最初は転ぶのが怖い人も、何度も転んで立つことを繰り返すと、転ぶこと失敗が怖くなくなり最も成長したい、最も新しい技やコースに行きたいという感覚で楽しくなるんです。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「人生の主人公は、君自身だ」
SNS運用代行と建設業という、一見つながりのない二つの事業を手がける押川聖さん。高校卒業後にアメリカへ渡り、学生起業家としてイベント運営やレンタカー事業、不動産事業に従事。帰国後は美容サロンの立ち上げを経て、YouTubeショートドラマでフォロワー400万人を達成。その後、SNSの力を武器に建設業界へ参入し、マグロ建設株式会社を設立した。「なりたくない職業ランキング」に名を連ねる建設業を、「なりたい職業ランキング1位」にする──その壮大なビジョンの裏側にある、起業家としての哲学と覚悟を聞いた。
経歴──アメリカで芽生えた「何者かになりたい」
母子家庭で育った押川さんには、幼い頃から「何者かになりたい」という漠然とした衍動があった。父親が経営者だったことも影響しているのだろう。将来なりたい職業を聞かれると、迷わず「社長」と書いた少年だった。
高校卒業後、可愛がってくれていた先輩の一言がきっかけで渡米を決断する。「日本って島国だよ。海外を見てきても面白いんじゃないの?」。サンディエゴ、ロサンゼルスでの留学生活は、ただの学業では終わらなかった。現地でビジネスパートナーと会社を設立し、LAの祭りやジャパンフェアといった数万人規模のイベント運営に携わった。レンタカー事業、不動産事業にも手を広げた。学生VISAという制約の中で、できることは全部やる。その行動力の原点が、アメリカ時代に築かれた。
起業のきっかけ──友人の経営危機が開いた建設業への扉
帰国後、美容サロンを立ち上げ、その後YouTubeの世界へ飛び込んだ。ショートドラマの配信でフォロワーは3年で400万人に到達。SNSの力を実感した押川さんが次に目を向けたのは、誰も予想しなかった業界だった。
きっかけは、建設業を営む友人の相談だった。キャッシュフローが焦げつき、経営が立ち行かなくなっていた。「最初は建設のことなんて何も知らなかった」。だが、友人を助けたいという一心で事業を吸収した。調べれば調べるほど、建設業の奥深さに引き込まれていく。歴史をひもとけば、国の繁栄を支えてきたのは常に建設業だった。2035年、2045年と進むにつれ大規模修繕の需要は増え続けるのに、職人は圧倒的に足りていない。「SNSを活用したら、ゼロだった反応が一気に来るようになった。これは面白い事業ができるぞ」。そうして2024年5月、マグロ建設株式会社が誕生した。
一番きつかったこと──3000万円の横領でも「プラスマイナスゼロ」
起業人生の中で、3000万円の横領被害に遭ったことがある。普通なら立ち直れないような金額だ。だが押川さんの受け止め方は、常人のそれとは異なっていた。
「3000万円がなくなっても、元々あったお金なわけじゃなくて、稼いだお金がなくなっているだけなんですよね。だからプラスマイナスゼロというか、ダメージがほとんどなかったんです」。借り入れをせず、自己資金だけで経営してきたからこそ言える言葉だ。
当時、横領されたときに隣にいた同級生にも「3000万円がなくなったって平気なの?」と聞かれた。「でも、元々なかったものだから、なくなってもゼロじゃないか、マイナスじゃないというマインドでいたんですよ」。今ではその隣にいた同級生が、メンバーに加わっている。逆境を共に見た仲間が、いま同じ船に乗っている。
乗り越え方──転んだら1秒でも早く立つ
押川さんの回復力の速さには、明確なロジックがある。「落ち込んでもいいと思うんです。ただ、落ち込んでいる理由って、現状ができていないか課題があるかのどちらか。つまり、できていないということは成長するタイミングなんです」。辛い時間を1日でも早く削るためには、早く行動するしかない。1週間悩んでも2週間落ち込んでも、動かなければ何も変わらない。
スキーの話が、その哲学を端的に表している。「転んだら1秒でも早く立つ。最初は転ぶのが怖い人も、何度も転んで立つことを繰り返すと、転ぶこと失敗が怖くなくなり最も成長したい、最も新しい技やコースに行きたいという感覚で楽しくなるんです。どんなことでも、やればやるほど強くなる。そういう感覚ですね」。筋トレも、サッカーも、経営も、原理は同じ。負荷をかけた分だけ強くなれるという確信が、押川さんの行動を支えている。
価値観・信念──「絶対勝てる」という揺るぎない哲学
押川さんの根底には、シンプルだが揺るぎない信条がある。「基本的に全部勝てるんですよ。焦らず、タイミングを見ながら、どんなに我慢してでも勝つために行動する。そうすれば絶対勝つ」。一番の敵は、他の誰でもなく自分自身だと言い切る。自分がどう捕らえるか、どう行動するか。それだけだと。
今後の展望──「なりたい職業ランキング1位」を目指して
「歴史を勉強しても、何を学んでも、建設業が国を支えているんですよね。AIが発展しても、最終的には日本のものづくり文化が大事なんです。もう一度、そこの魂に火をつけて、『職人はかっこいいぞ』という会社を作りたい」。既存の下請け構造を壊すのではなく、新しい構造を作る。許可や資格をしっかり取り、基準の高い会社同士が連携し、次世代に技術をつないでいく。その延長線上に、年間1万人の職人雇用という壮大な目標がある。
YouTubeでは職人の現場映像やトラックドライバーの密着動画が驚くほど伸びている。「やっぱり、かっこいいと思わせているからなんでしょう」。SNSと建設業の掛け合わせで、業界のイメージそのものを書き換えようとしている。
メッセージ──人生の主人公は、君自身だ
「人生の主人公は、君自身。一人一人がそれぞれの人生の主人公なんです。だから、自分がやりたいことを追求して、死ぬときに『全部楽しかった』って言える人生にしましょう」
今やることが見つからないなら、もう一度振り返ればいい。過去の夢を思い出したり、親や友人の姿を見たり。「何事も熱狂して本気になれば、すごく楽しいことが見つかると思っています。自分の価値観、自分の生き方は、自分にしか変えられない。最高の人生にしたいなら、自分を見つめ直して、目の前にあることに本気で集中してみてください。熱狂してみたら、楽しいに決まってるんです」
最後に(筆者の感想)
押川さんの言葉には、飾り気がない。「職人はかっこいいぞ」というフレーズは、標語でもブランディングでもなく、本心からそう思っている人間の声だった。
3000万円の横領を「プラスマイナスゼロ」と言い切る胆力、スキーの例えで読く「転んだら1秒でも早く立て」という行動哲学。そのすべてが、実体験から来ているからこそ重い。
建設業界の構造を変えるという壮大なビジョン。その入り口に立つ押川さんの姿は、「行動すれば変わる」というメッセージそのものだった。
取材・文:株式会社One Rep 木村光志
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会社名:マグロ建設株式会社
代表:押川 聖
設立:2024年5月
事業内容:外構・エクステリア工事、造作家具・オーダーキッチン、土木工事、防水・シーリング工事、大規模修繕工事、内装工事、解体工事
本社:東京都足立区東綮瀬1丁目10-16
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