2026.08.07 / ぶち上げインタビュー
【ぶち上げインタビュー】「環境がすべて」——二軸の収入モデルでアスリートの「今」と「その先」を支える男。 合同会社BATON PASS・田路耀介さん

「環境がすべて。」合同会社BATON PASS代表・田路耀介さんの言葉だ。現役のプロサッカー選手として今もピッチに立ちながら、引退後を見据えたアスリート支援事業を今年立ち上げた。中学時代はセレッソ大阪の下部組織に400人中1人だけの一次選考通過で入団、高校では「関西のバルセロナ」と呼ばれる興国高校でチームを初の全国大会出場に導いた経歴を持つ。 幼少期から空手
この記事の要点
- 01ただ、ちょうど同じタイミングでセレッソ大阪の下部組織のセレクションがあって、世界大会に出るかセレッソに挑戦するかの二択になったんです。
- 02あるとき、ある経営者の方から「自分以外はみんな師匠だと思え」という言葉をもらって、年上か年下かに関係なく学べることがあるという考え方をすごく大事にしています。
- 03自分が居心地の悪さを感じるような経営者やビジネスマンと会ったり、そういう環境に飛び込んだりすれば、嫌でも自然と自分は変わっていきます。
※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。
「環境がすべて。」合同会社BATON PASS代表・田路耀介さんの言葉だ。現役のプロサッカー選手として今もピッチに立ちながら、引退後を見据えたアスリート支援事業を今年立ち上げた。中学時代はセレッソ大阪の下部組織に400人中1人だけの一次選考通過で入団、高校では「関西のバルセロナ」と呼ばれる興国高校でチームを初の全国大会出場に導いた経歴を持つ。
幼少期から空手とサッカーの二刀流で育ち、空手の世界大会代表候補という道を捨ててサッカーを選んだ田路さん。プロ入り後はツエーゲン金沢を皮切りに5つのクラブを渡り歩き、現在はシュワーボ東京でプレーしている。
(以下、田路さん)
Jリーグからアマチュアまで日本サッカーのほぼ全カテゴリでプレーしてきた経験から、現役中の収入源づくりとセカンドキャリア支援を一貫して手がける事業を構想したという田路さん。個人スポンサー獲得と代理店副収入を組み合わせた独自のモデルで、すでに30数名のアスリートを支援している。これまでの歩みと事業への思いを聞いた。
プロフィール
会社名:合同会社BATON PASS
役職:代表
氏名:田路耀介(とうじ ようすけ)
アスリートの「今」と「その先」を同時に支える
個人スポンサーと代理店副収入、二軸の収入モデル
——まず、事業内容を教えてください。
田路さん:アスリートに対して、現役中の収入をつくるところから、引退後のセカンドキャリアのサポートまで一貫して行っています。うちは営業代行の商材も扱っていて、アスリートが個人スポンサーを獲得すると、そのスポンサー企業に対して、例えば採用に困っていないかなど、うちの営業商材をトスアップしてもらうんです。そこで契約が取れれば、アスリートにも代理店副収入として還元する。個人スポンサーがついて終わりではなく、そこからもう一つ収入源が生まれる、二軸の仕組みにしています。今は代表の僕1人プラス業務委託の体制で、サッカーだけでなく格闘技やフットサル、ボディビルなど幅広い競技のアスリート30数名を支援しています。
空手とサッカー、二刀流の少年時代
世界大会推薦か、セレッソ大阪か。中学入学前の決断
——子どもの頃はどんな環境で育ちましたか。
田路さん:幼稚園の頃から父の影響でずっと空手をやっていて、サッカーを始めたのは小学2年生です。地元の友達に誘われて始めたら面白くて、そこからのめり込んでいきました。週末は朝サッカー、昼から空手という生活をずっと続けていて、空手では関西優勝、大阪優勝、全国大会出場に加えて、日本から数名しか選ばれない世界大会にも推薦されたことがあります。ただ、ちょうど同じタイミングでセレッソ大阪の下部組織のセレクションがあって、世界大会に出るかセレッソに挑戦するかの二択になったんです。自分は正直サッカーがやりたかったので、空手をやめてサッカーに懸けました。
——セレッソ大阪への入団はどのような経緯だったんですか。
田路さん:セレクションは大体300〜400人が受けるんですが、多くは事前にある程度目星がついている選手が最終選考だけ呼ばれるような形なんです。僕は弱小チームにいたので、そういうコネは全くなくて、自分でお金を払って一次選考から受けました。結果、一次選考から受けて入団できたのは、その代で自分1人だけでした。中学の3年間はセレッソ大阪でプレーして、2年生の時に全国大会優勝、3年生の時にベスト8という成績を残せました。
ユース昇格の挫折と、興国高校という選択
「関西のバルセロナ」で技術を磨き、チームを初の全国大会へ
——中学卒業後の進路について教えてください。
田路さん:セレッソ大阪でずっと試合に出ていたので、ユース(U18)に昇格できると思っていたんですが、昇格できないと言われてしまって。中学3年生ながら、かなり落ち込んだのを覚えています。それでもサッカーをやめる気はなくて、自分は何のためにサッカーをやっているのかと考えた時に、プロになるためだと。自分の弱みは足元の技術だと思っていたので、技術指導に定評があって「関西のバルセロナ」と呼ばれていた興国高校に進学することにしました。当時はまだ一度も全国選手権に出たことがない高校でした。
——高校時代はどのように過ごしましたか。
田路さん:1年生からインターハイに出場させてもらって、3年生の時には部員300人のサッカー部全体のキャプテンを任されました。自分たちの代は「最弱世代」と言われていたんですが、強いチームが必ず勝つわけじゃない、一つにまとまることが大事だと思っていたので、各カテゴリのキャプテンに、トップチームが必ず全国の景色を見せるから全力で応援してほしいと伝え続けました。その結果、応援も含めてチーム全体が一体になって、3年生の時に自分たちの代で初めて選手権予選を突破し、学校として初めて全国大会に出場することができました。
プロ入りから、5チーム目のシュワーボ東京へ
高卒でツエーゲン金沢へ。今も現役で戦い続ける
——プロ入りが決まった時のことを教えてください。
田路さん:高校の授業中に監督に呼ばれて、職員室で「ツエーゲン金沢からオファーが来たよ」と言われました。まだ発表前だったので喜びをかみしめておけと言われたんですが、地獄から天国のような気持ちでしたね。ツエーゲン金沢には2年在籍して、その後は1〜2年単位でチームを変わりながらプレーを続けていて、今のシュワーボ東京で5チーム目になります。今も現役の選手として、午前中に練習をしながら活動しています。
「サッカーだけでは食べていけない」現実から生まれた事業
プロもアマチュアも経験したからこそ見えたもの
——BATON PASSを立ち上げたきっかけを教えてください。
田路さん:僕自身、Jリーグからその下のカテゴリまで、日本サッカーのほぼ全てのカテゴリでプレーした経験があります。プロとしてサッカーだけで生活できている人がいる一方で、それがどれだけ不安定かも肌で感じてきました。年収1億円稼いでいても、チームがなくなれば翌年ゼロ円になることもある世界です。逆に社会人選手は、本当はプロを目指したいのに、生活のために仕事に時間を取られて、競技に十分な時間を使えていない人も多い。そういう現実を見てきた中で、今年、合同会社BATON PASSを立ち上げて、現役中の収入づくりからセカンドキャリアのサポートまで一貫して行う事業を始めました。
「挑戦が継続できる社会」をつくる
自分以外はみんな師匠
——経営において大切にしている価値観はありますか。
田路さん:ビジョンとして掲げているのは、挑戦が継続できる社会をつくることです。子どもの頃は誰でも、プロサッカー選手や仮面ライダーになりたいというような夢を持っていたはずなのに、大人になるにつれてお金や周りの環境を理由に、自分には無理だと諦めてしまう。そういう人たちが、少しでも自分の求めるものに挑戦し続けられるようにサポートしたいと思っています。あるとき、ある経営者の方から「自分以外はみんな師匠だと思え」という言葉をもらって、年上か年下かに関係なく学べることがあるという考え方をすごく大事にしています。
今後の展望
日本一かっこいい集団をつくりたい
——今後の目標を教えてください。
田路さん:これから会社としても人を採用していきたいと思っています。アスリートは引退した瞬間に、それまで目標に向かっていた熱量や思いが一気に消えてしまうことが多くて、とりあえず生活のために就職する、という形になりがちです。僕らはそうではなく、同じ熱量や思いを持ったまま、次の明確な目標に進んでいけるようなサポートや教育をしていきたい。そうやって、日本一かっこいい集団をつくりたいと思っています。
読者へのメッセージ
人生を変えようと思わなくていい
——一歩を踏み出せない人へ、メッセージをお願いします。
田路さん:よく人生を変えたいという人がいますが、僕はわざわざ人生を変えようと思わなくていいと思っています。大事なのは誰と一緒にいるか、どこにいるかなんです。自分が居心地の悪さを感じるような経営者やビジネスマンと会ったり、そういう環境に飛び込んだりすれば、嫌でも自然と自分は変わっていきます。もし悩んでいる人がいたら、一度僕のところに話をしに来てくれたらいいなと思います。
会社概要
会社名:合同会社BATON PASS
設立:2026年
代表:田路耀介
事業内容:アスリートの個人スポンサー獲得支援、営業代行(代理店副収入モデル)、セカンドキャリア支援
所在地:東京都新宿区西新宿3丁目3番13号 西新宿水間ビル2F
取材・文:佐藤大遥(株式会社ONE REP)
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