2026.05.03ぶち上げインタビュー

ぶち上げインタビュー「一番泥臭くやるから、ついてきてください」——サイバーセキュリティ×AIと、ライフサポート×SNS。二社を束ねる社長の原点。株式会社メタセキュア 代表取締役 橋本卓成さん【人生ぶち上げch】

「一番泥臭くやるから、ついてきてください」——サイバーセキュリティ×AIと、ライフサポート×SNS。二社を束ねる社長の原点。株式会社メタセキュア 代表取締役 橋本卓成さん【人生ぶち上げch】

泥臭くやる。それだけで、ここまで来た。

この記事の要点

  • 01一方、Beatriggerでは、太陽光・蓄電池などのライフサポート事業を手がけ、人と社会に「きっかけ」を届ける会社として大阪を拠点に事業を広げている。
  • 02両社合わせて約40名の組織を率いる、若き経営者である。
  • 03だから、成長産業で跳ねる未来が見える市場と、AIに絶対代替できひん市場、この両方に軸足を置いて、ゴリゴリ伸ばしていく。

※ 人生ぶち上げch編集部が本文をもとに整理した独自の要約です。

泥臭くやる。それだけで、ここまで来た。

株式会社メタセキュア、株式会社Beatrigger(ビートリガー)代表取締役・橋本卓成(たかなり)さん。メタセキュアでは、AIをフル活用したサイバーセキュリティ事業と、中小企業向けのAI・DXコンサルティング事業を展開。プライム上場企業や官公庁向けの案件が主力だ。一方、Beatriggerでは、太陽光・蓄電池などのライフサポート事業を手がけ、人と社会に「きっかけ」を届ける会社として大阪を拠点に事業を広げている。両社合わせて約40名の組織を率いる、若き経営者である。

滋賀県出身。幼少期は「言うこと聞かん坊主」と母親に言われるほどの暴れん坊で、小学校では特別学級を勧められたこともあった。一方で、サッカーは元JFLのサッカークラブの育成組織で本気でプロを目指し、中日本トレセンまで駆け上がった経歴を持つ。草津東高校で全国大会を経験、関西大学進学後は2年生から訪問販売のインターンに飛び込み、紆余曲折の末、休学を経てそのまま起業の道へ。

きらびやかなスタートではなかった。むしろその逆。一度は半年間のうつ病で「天井を眺めるだけの日々」を過ごし、借金を抱え、居場所を失った。それでも「前に進まな何も変わらん」と勢いで立ち上がり、仲間と共に事業を築き上げてきた。今、AIによる地殻変動が起きる時代に、橋本さんが描く戦略とは——。

会社名:株式会社メタセキュア/株式会社Beatrigger

役職:代表取締役

氏名:橋本 卓成(はしもと たかなり)さん

二本の足で立つ——時流に乗る領域と、AIに代替されない領域

サイバーセキュリティ×AI、そしてライフサポート×採用×SNS。二社でポートフォリオを組む。

——まずは、現在手がけられている事業について教えてください。

橋本さん:今は2社を経営しています。1社は株式会社メタセキュアで、AIをフル活用したサイバーセキュリティと、中小企業向けのAI・DXコンサルティングをやっています。サイバーセキュリティの方はプライム上場企業さんや官公庁さんがメインのお客さんで、DX支援の方は年商10億から50億くらいの中小企業さんが中心です。

もう1社が株式会社Beatrigger(ビートリガー)で、こちらでは太陽光や蓄電池を扱うライフサポート事業、新卒採用支援事業、SNS事業を展開しています。

——一見バラバラに見えますが、どう繋がっているんでしょう?

橋本さん:事業のポートフォリオって、めちゃくちゃ大事だと思っていて。成長産業や時流に乗っている領域——AIとかサイバーセキュリティとか、ここから大きく跳ねる未来が見える市場——にちゃんと右足を突っ込みつつ、一方で、AIに絶対代替できひん領域——泥臭い対面の営業とか、人と人が顔を合わせてこそ成り立つビジネス——にも左足をしっかり残しておく。

この両軸をゴリゴリ伸ばしていくことで、事業の安定性を担保しながら、勝負もできる。これが僕のポリシーですね。

他の会社と何が違うのか——AI×DXの「現場定着まで」やり切る支援

要件整理から、従業員全員の定着まで。オーダーメイドの半年プロジェクト。

——メタセキュアのDX事業について、もう少し詳しく教えてください。他のAI事業者とどこが違うんでしょうか?

橋本さん:今、AIの事業者ってめちゃくちゃ増えてるんですよ。ただ、ほとんどが完全に二パターンに分かれていて。1つは「AI研修やります」型。補助金も活用しながら、社内でAIを使えるようにしましょう、みたいな研修の会社。もう1つは、「こういうシステム作ってあげますよ」ってポイッと渡すだけの会社。

うちはそのどちらでもなくて、要件整理→オーダーメイド開発→現場定着までを丸ごと支援する形にしています。

——かなり重めのプロジェクトですね。

橋本さん:そうなんです。もともとプライム上場企業のDX推進を4年やっていたコンサル出身の先輩が、メタセキュアの共同創業に入ってくれていて。軽い要件の整理からしっかり入って、うちの技術メンバー——ここもめちゃくちゃAIに強いんですが——が、会社に合わせた完全オーダーメイドのシステムを開発します。

ただ、システムを作っても、従業員が使いにくかったら絶対に定着しないんですよ。だから、従業員レベルで全員が定着できるようになるまでを、半年間のプロジェクトとして販売しています。ここまでやり切るから、成果が出る。

幼少期から「席に座っていられない」少年だった

勉強も運動もできたけど、一番怒られていた子供。

——少し時間を遡って、幼少期のお話をお伺いしてもいいですか?

橋本さん:母親からは、ずっと「言うこと聞かん坊主」って言われていましたね。席に座っていられないし、暴れ倒すタイプで、小学校では特別学級を勧められたこともあったんですよ。親が反対して入らなかったんですけど。

帰り道に道草を食いすぎて、いつまでも家に帰ってこないような子供で。とにかくいろんな方からご指導をいただいていました(笑)。

——意外と言うべきか、勉強はできたと。

橋本さん:勉強もできたし、運動もできた。でも暴れるっていう、一番先生に手を焼かせるタイプでしたね。末っ子だったのもあって、まあ自由にやっていました。

——ご家庭の環境は?

橋本さん:母は普通の専業主婦なのですが、父がもともと経営者で、水道工事系の会社をやっていました。コロナの時に、従業員全員に給付金も出るタイミングで独立させて、今は1人でやっています。なので経営者という存在は、幼少期からごく身近にありました。

サッカー一筋だった少年が、プロの道を諦めた日

中日本トレセンで「一番下手くそ」を突きつけられて。

——サッカーはかなり本気でやられていたんですよね。

橋本さん:やっていました。当時は佐川急便がスポンサーをやっていた、元JFLのチームの育成組織に所属していました。

中学校の監督が、元パルメイラスというチームの選手で、後に女子サッカー日本代表のコーチも務めた方で、もうマジで昭和の人間というか。遠征合宿に行ったら、走らされすぎて5人くらい普通にぶっ倒れて救急車で運ばれてました。朝4時半から朝練があったことも鮮明に覚えてます。

——強烈ですね(笑)。

橋本さん:めちゃくちゃプロを目指していたんですけど、中2の途中で諦めました。中日本トレセンに呼ばれて、確か50人くらいの中から、約20人のメンバーがナショナルトレーニングキャンプに進める選考会があったんですけど、その中で、僕が一番下手くそやったんですよ。

——中日本トレセンまで行っているだけでもすごいのに。

橋本さん:そうなんですけど、もう全員に勝てへんくて、ボコボコにされて。そこで「ああ、無理やな」と。高校は草津東高校に進んで、全国大会にも行ったんですけど、滋賀県では強いけど、全国に出たらお山の大将でボコボコみたいな感じでしたね。

ポジションはサイドハーフで、ドリブルもするタイプだったんですけど、評価されていたのはどっちかというと「一生走りまくる」ところ。根性で出ていた選手でした。

訪問販売の世界に飛び込んだ大学2年生

1年半、契約が出ない。サボりながら、くすぶっていた日々。

——大学進学後はどういう道を歩まれたんですか?

橋本さん:関西大学に進んで、1年生は本当にただ遊んでいました。サッカー部に入るか悩んだんですけど、プロを目指さないならそれって就活のためじゃないですか。僕は就職する気がなかったので、入らなかったですね。

なんとなく「起業したいな」という気持ちは高校の頃からあって、2年生から訪問販売のインターンシップに入りました。もうゴリゴリの訪問販売で、太陽光とか蓄電池をずっとピンポンで売っていくやつです。

——でも、最初は苦しかった、と。

橋本さん:最初はマジで成果が出なくて。普通の子は3ヶ月以内に初契約が出るんですけど、僕は8ヶ月くらい契約ゼロで。

しかもフルコミッション(完全歩合)の営業なのに、サボっていたんですよ(笑)。みんなで車で京都の現場まで行って、降ろされた瞬間に自分だけレンタカーを借りて奈良の東大寺まで行っちゃったり。めちゃくちゃ怒られていました。

——わざわざ奈良に行ってサボってたんですね(笑)。

橋本さん:わけわからんことしていましたね。1年半くらいは結果が出ずで、そこからようやく頑張り始めて、大学時代は最高で月100万くらいまで行きました。「よっしゃ、ここからや」と思った矢先に、とんでもないことが起きるんですけど。

天井を眺めるだけの2ヶ月、そして「桃鉄」の事件

初月100万を達成した翌月、心が動かなくなった。

——これまでの人生で、一番きつかった経験を教えてください。

橋本さん:うつ病になったことですね。

100万を初めて稼げて「ここからやっていく」ってなった次の月から、動けなくなっちゃって。半年くらい、営業も何もせず死んでいました。

——何がきっかけだったんですか?

橋本さん:正直、今でもよくわかっていないんですよ。ただ、僕メンタル強い方じゃないので、よくなるんですよね。「やらなあかんのに動けない自分」に絶望して、自己否定をひたすら繰り返していました。

——半年間、どんな状態だったんですか?

橋本さん:最初の2ヶ月は、本当にずっと天井を眺めているような生活で。

一番印象的なエピソードで言うと——うつ病って、症状として知能が低下したり、判断力が鈍ったり、記憶障害にもなるらしいんですよ。2ヶ月経って、「さすがにこのままじゃやばい、動かないと」と思ったんですけど、普通なら自分のためになることをするところを、僕、「桃鉄(桃太郎電鉄)を始めよう」ってなったんです。

——桃鉄ですか、?

橋本さん:たまたまその日、朝9時くらいに早く起きられたんで、「桃鉄やろう」ってなって。そこから気づいたら、夜中の1時まで延々とやっていたんですよ。ご飯も食べずに、朝9時から夜中の1時まで。桃鉄の中でめちゃくちゃデカい会社を作り上げていて。

「いや、これはほんまに頭おかしいかも」と思って、病院に行ったら、うつ病でした。

それでも「前に進まな何も変わらん」と決めた

借金200万、住む場所もない。そこから起業へ踏み切った。

——そこから、どうやって立ち直られたんですか?

橋本さん:正直に言うと、起業しよう、と決めた瞬間に立ち直ったんですよ。

うつ病でずっと落ち込んでいたんですけど、「前に進まな何も変わらんな」と思い始めて。もう勢いで起業に踏み切りました。ちょうど当時お付き合いしていた方ともうつ病期間中に別れてしまい、200万くらいの借金を抱えた状態で、住む場所もなくなってしまって。

——かなり厳しい状況じゃないですか。

橋本さん:そうですね。そこから友達の家に転がり込んで、そこを営業所代わりにして始めました。その時に拾ってくれた友達が、今の副社長なんですよ。

——まさに恩人ですね。

橋本さん:めちゃくちゃ恩人です。借金はそのあと最初の売上で全部返しました。

母親と絶縁した日、兄の結婚式で仲直りした日

レールを外れることへの躊躇は、ほとんどなかった。

——大学を休学してそのまま起業、というのは周りから見ると「もったいない」と言われそうですが。

橋本さん:僕、その感覚が結構ズレているかもしれないんですけど、全くなかったんですよ。「やりたいことやった方がいいじゃん」っていうタイプなんで。

ただ、大学を辞めると決めた時に、母親とは一回絶縁しましたね。めちゃくちゃヒステリックに泣いて「もうあんたのことは知らん」って言われて。

——絶縁。

橋本さん:でも1年後くらいに、兄の結婚式で再会して、そこで仲直りしました。

採用も、起業メンバーも、全部「縁」でここまで来た

新歓で声をかけた大学生が、今の中核メンバー。

——今のメンバーはどうやって集まったんですか?

橋本さん:1期目は3人スタートで、あとは本当にナンパみたいな感じでした。街を歩いている大学生に「ちょっとやろうや」って声かけたり、居酒屋で採用したり。2期目も、大学の新入生歓迎期間に突撃して「売れそうやな」という学生に声をかけたり(笑)。

今、本当に優秀になっている社会人メンバーの中にも、その時期に声をかけた子がいます。社会人メンバーの10名弱は、前の訪問販売インターン時代の仲間や、大学の先輩・後輩を社会人になってから引き抜いてきた人たちですね。

——最近はちゃんとしていると。

橋本さん:最近はもう、媒体からもちゃんと正統に採用するようにしています(笑)。今は2社合わせて30名弱、社会人が4割、学生が6割くらいの構成です。

AIに絶対代替できない領域と、AIで跳ねる領域。両方を取りに行く

これからは「ポートフォリオで勝負する」時代。

——今後の展望を教えてください。

橋本さん:AIのインパクトってとてつもなく大きいので、そこにちゃんと右足を突っ込んでおくのは絶対に必要。ただ、AIに代替できない領域——泥臭い営業、店舗運営、対面でしか成り立たないビジネス——も、絶対に残ると思っているんです。

だから、成長産業で跳ねる未来が見える市場と、AIに絶対代替できひん市場、この両方に軸足を置いて、ゴリゴリ伸ばしていく。

事業の安定性を担保しながら、めっちゃ勝負していきたい——これが僕の考えですね。

初めてこの記事を読んでくれた方へ

「とりあえず、目の前のことを超泥臭くやる」

——最後に、この記事で初めて橋本さんを知った読者——特に、夢はあるけれど挑戦できずにもがいている人たちに、メッセージをお願いします。

橋本さん:リアルなこと言うと、かっこいいことって、あんまり言えないんですけど。

1個だけ言えるとすると——どんな環境でも、どんな業種でも、どんな仕事でもいいから、とりあえず目の前のできることを超泥臭くやって、もがき苦しんでみたらいいと思います。

そして、ここまで支えてくれた仲間たちへ

「これからも僕が一番泥臭くやるので、ついてきてください」

——もともと橋本さんを知っている身内の方——ご友人、ご家族、社員の皆さんへのメッセージもお願いします。

橋本さん:2つあります。

1個は、めっちゃ感謝してます、ということ。僕1人じゃ何もできないので、周りのメンバー、友達、従業員、全員の支えがあって、今頑張れている。本当に感謝しかないです。

もう1個は——これからも僕が一番泥臭くやるので、ついてきてください、ということ。それに尽きます。

会社概要

株式会社メタセキュア

代表:橋本 卓成

事業内容:AIを活用したサイバーセキュリティ事業、中小企業向けAI・DXコンサルティング事業

公式サイト:https://metasecure.jp/

株式会社Beatrigger(ビートリガー)

代表:橋本 卓成(代表取締役社長)

事業内容:ライフサポート事業/新卒採用支援事業/SNS事業

所在地:〒540-0019 大阪府大阪市中央区和泉町1-1-14 シイナHDビル谷町北館 11F

資本金:1,000,000円

特別顧問:吉村文男氏(元大阪府警察 警部)

公式サイト:https://beatrigger.net/

取材・文:河本龍真(株式会社One Rep)

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